【新華社東京8月16日】村山富市元首相は15日、メディアを通じて「村山談話」発表25周年についての感想を述べ、談話が今後の日本とアジア、世界の和解と平和、発展に貢献することに期待を示した。中日関係については、日本が中国と長期的な友好関係を構築することが極めて重要と強調した。
96歳になる元首相は談話発表を決断した経緯について「総理在任時に敗戦50年を迎えた。その節目に、けじめをつける意味で、過去の歴史的事実を謙虚に受け止め、平和と民主主義、国際協調を基調とする日本の針路を明確に闡明(せんめい)する必要」があったと語った。
村山氏は、談話の発表は1995年8月だが、その10年前の1985年8月15日に当時の中曽根康弘首相が、戦後初めて首相として靖国神社に公式参拝したと当時を振り返る。中国の南京で「南京大虐殺紀念館」が開館したのも中曽根参拝と同じ日だったと説明した。
談話の作成に際しては、作成実務を担った担当幹部に対し、侵略と植民地支配によってアジア諸国の人々に耐えがたい被害と苦痛を与えた歴史的事実を明確にして謝罪の意思を示し、侵略や植民地支配を二度と繰り返さない決意を表明するよう強く指示したという。
村山氏は、談話が世界各国の人々や政府から高い評価を受け続けていることを光栄に思うと語った。その上で談話が今後の日本とアジア、世界の和解と平和、発展に貢献することに期待を示した。
最後に、日本にとって中国との間に末永い平和と繁栄の友好関係を保持し、築きあげて行くことが肝要と訴え、「アジアの平和と安定の構築のためには、日中両国の、安定的な政治・経済・文化の交流・発展を築いていかねばならない」と強調した。
「新華網日本語版」2020年8月16日