日本がファイブ・アイズに加わり、同情報機関のアジアにおける「目」になる?7月下旬以降、日本の河野太郎防衛大臣は多くの場で日本が「第6の目」になる意向を示しており、多くの西側メディアを賑わせている。「環球時報」が伝えた。
同盟国を抱き込み中国をけん制しようと急ぐ米国はこの動きに非常に満足しているかもしれない。日本の加入はアジアにおける情報ネットワークの拡大を意味し、さらに「インド太平洋戦略」を推進できるからだ。しかしファイブ・アイズのメンバーに懸念がないわけではなく、日本が共有する情報を守れるかを不安視している。日本側を見ても、河野氏が政府の考えをどれほど代表できるかについても多くの疑問が残されている。河野氏は来年に自民党総裁選を控えており、保守勢力に迎合しアピールする必要があるからだ。日本は常に経済発展を重視しているが、ファイブ・アイズに加入すれば、中国との政治・経済協力に「遠心力」を注入することになる。これが新型コロナにより経済の厳冬に陥っている日本に大きな損失をもたらすことは間違いない。実際の加入について、日本は決して軽率に決定できない。
中国社会科学院日本研究所総合戦略研究室副主任、副研究員の盧昊氏は環球時報のインタビューに応じた際に、「日本が加入するか、あるいはどのような形で協力するかについては、現実的な政治及び戦略を立脚点とし検討することになる」と述べ、次のように続けた。
政府を含め、日本国内ではファイブ・アイズへの加入について意見が分かれている。日米の同盟関係における軍事情報の共有は非常に高い程度に達しており、日英も積極的に安保協力を推進している。対外軍事情報協力において、日本はすでに十分な「団子」を手にしている。さらに「花」を求め正式にファイブ・アイズに加入するならば、日本の既存の対外防衛協力の原則を超越することを意味する。日本に安全面、さらには戦略的な自主性を持たせようとする人にとってこの措置は有意義だが、より大きな物議と国内外の世論の圧力に直面し、防衛政策で一定の独立性を犠牲にすることになる。そのため日本側は先にシグナルを発し、外の反応に探りを入れ、損得を計算しようとしている可能性がある。
別の観測筋は、「エコノミックアニマル」である日本は国際情報機関への加入にそれほど興味を持っておらず、TikTok(ティックトック)が米国で受けている仕打ちへの注目度を大きく下回っていると判断した。米政府がバイトダンスにティックトックの米国事業の売却を迫ると、日本の態度にも揺れが生じた。自民党議員は7月末に、「日本でのティックトックの使用制限」について集中的に議論した。
ウェブサイト「香港01」は記事の中で、日本の同問題を巡る米国との「連携効率」の高さは、米国主導の「同盟」の重心が経済と関連していることを示していると指摘した。日本はこの同盟関係を利用し、自国の利益と発展空間を最大限に拡大しようとしている。その一方で、米国家安全保障局が2011年にアジア太平洋の光ケーブルの監視の協力を求めたが日本から拒否された件は、日本がこのような情報協力に「反発」することを示している。戦後から現在まで、利益を期待できない国際機関に加入しないことが、日本の国際的な生存の哲学になっている。同記事は日本のファイブ・アイズに対する真の態度について、「情報交換以外にそれほど多くの実益がなく、しかも自国を監視下に置くことになる」と分析した。
しかし盧氏は、河野氏がファイブ・アイズに加入するシグナルを発したことは、少なくとも再び次の傾向を示したと見ている。現在の国際的な変局において、権力の移動の加速と秩序・メカニズムのモデルチェンジに直面した日本は、欧米との「体制協力」の利用・強化により自国の固有の戦略的展開に効果を発揮させ、これをリスク対応と優位性確保の主導プランにしようとしている。日本は自国と欧米の実力及び価値観を巡る「一体感」と「長期融合」は、依然として重大な戦略的優位性だと見ている。
福井県立大学の凌星光名誉教授は、日米は安保協力をめぐり過去10年で大きく進展したが、米国が日本に高額な武器を買わせようと圧力をかけ、国防産業の大々的な発展を阻害していることへの不満もあると判断した。日本は従順な態度を示しているが、自主性の強化を目指している。国内には、米国との同盟関係に盲目的に依存するのではなく、中国との対話と意思疎通の強化も必要とする理性的な声がある。また中米が激しく競争する時期において、日本は仲裁の役割を演じることが可能とする声もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年8月25日