日本政府がモーリシャスに派遣する災害対策専門家チームは25日、日本の貨物船「わかしお」がモーリシャス沖で座礁し燃料が流出したことで、マングローブ林とサンゴが死滅する可能性があるとした。
商船三井が運航する「わかしお」は1カ月前、モーリシャス南東沖で座礁し、今月6日に船体に亀裂が入ってから1000トン以上の燃料が流出している。日本側の専門家チームのメンバーは7人で、うち環境専門家は5人。21日より燃料流出の生態系への影響を実地調査している。
専門家チーム副チーム長、日本の国際協力機構(JICA)の生態系専門家である阪口法明氏は25日、オンライン報告会で「汚染が深刻な海域では、根に付着する燃料がマングローブ林を窒息させ、死に至らしめる。また燃料が長時間付着すれば、含まれる有毒物質がマングローブ林を死に至らしめる」と述べた。
専門家チームによると、死亡もしくは死の危機に瀕しているマングローブ林はまだ見つかっていないが、7カ所の調査エリアでマングローブ林の根が燃料に覆われているのを発見した。うち2カ所は燃料による汚染面積が広い。そのほかに、泥の中から燃料を取り除くのは極めて困難であり、燃料がマングローブ林のさらに深い部分に流入し、汚染面積を広げる恐れがある。
「わかしお」は今月、真っ二つに断裂した。モーリシャス政府は船舶を派遣し、船体の前方部を公海に曳航し、24日に海底に沈めた。後方部は座礁した海域に残されている。
阪口氏によると、後方部は波によりサンゴ礁を絶えず摩擦・破壊し、海水を濁らせるという。この状況が続けばサンゴが死亡する可能性がある。
日本の小泉進次郎環境大臣は25日、日本側は環境専門家をモーリシャスに追加派遣することを検討すると述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年8月27日