『経済参考報』はこのほど、「米日欧のインフレ圧力の差が目立つ』という記事を掲載した。内容は以下の通り。
米国、ユーロ圏、日本は近頃、インフレに関するデータを発表した。3大主要経済圏のインフレ水準の差が目立ち、世界の先進経済圏のインフレ圧力は全体的に大きくなく、今後もインフレの変化とその影響を観察する必要がある。
米労働省が12日に発表したデータによると、季節調整後の4月の米国の消費者物価指数(CPI)は前年同期比4.2%上昇し、2008年9月以来最大の伸び率となった。
4月に急上昇した米国のCPIと比べて、ユーロ圏のインフレデータは穏やかで、物価は回復段階にあり、日本はデフレすれすれの状態にある。
ユーロ圏最大と2番目に大きい経済圏であるドイツとフランスも12日にCPIデータを発表した。ドイツ連邦統計局が発表したデータによると、ドイツの4月のインフレ率は2.0%で、4カ月連続のプラス成長となった。フランスが発表したデータによると、4月のフランスのCPIは1.2%上昇し、3月の伸び率よりやや拡大した。
米欧の状況と異なり、今年3月末までの2020年度、日本の生鮮食品を除くコアCPI(季節調整後)は101.4で前年比0.4%低下した。3月は101.8で、前年比0.1%の低下だった。
米日欧の3大主要経済圏のインフレデータの中で、米国のインフレデータは最も注目を集めている。米国のCPIデータ発表後、金利トレーダーの間で米FRBは政策決定者が近頃示唆した時期より早い来年に利上げに迫られる可能性があるという見方が強まっている。金融市場は来年12月にFRBが25ベーシスポイント利上げする確率は100%に達すると予想するが、米株式市場は大幅下落している。
米国のサマーズ元米財務長官をはじめとする著名経済学者は、インフレリスクを再度警告した。サマーズ氏は、今後1~2年、米国が直面する主な経済リスクは過度な下落ではなく過熱だと述べた。
FRBのブレイナード理事は、インフレ率が大幅上昇を続ける条件は経済再開後に賃金または物価が一定期間上昇することではなく、インフレ期待が持続的に上昇する必要もあると話した。新型コロナ関連の限られた期間の物価上昇がインフレ傾向を長期的に変えることはないという。
シティグループの経済学者のクラーク氏はある報告の中で、今後数カ月のデータは物価の勢いのある上昇の持続性を判断する上で非常に重要であり、インフレの経緯および全ての経済データに大きな不確定性が存在するとの見解を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年5月18日