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japanese.china.org.cn |09. 01. 2023 |
いつかまた中国旅行へ⑤――「海のシルクロード」の起点・寧波
文=清水友香 産業翻訳者
アフターコロナ時代の新たな旅のスタイルを待ちながら、これまで半年間にわたって中国の観光地や文化を紹介してきました。ここにきて中国の動的ゼロコロナ政策が終了したことで、大方の予想よりも早く両国間の往来が戻ってきそうです。中国政府は今月8日より「乙類乙管」政策を実施し――中国では新型コロナウイルスを法定感染症の乙類に分類しているが、これまでは甲類と同様に厳しく管理していた(乙類甲管)――入国時の隔離措置を撤廃しました。外国人観光客の増加が期待されています。
この動きを先取りするように、先日は寧波市観光局の公式ガイドブック(日本語版)作成に携わる機会がありました。当該市の観光ウェブサイト(日本語版)はコロナ以降閉鎖され、ガイドブックの発行も止まっていたので、数年ぶりの復活です。今回は屋外施設やキャンプなどのアウトドア・アクティビティを数多く取り入れたアフターコロナ・バージョン。空港や旅行代理店などで見かけましたら、ぜひお手に取ってご覧ください。無料でお持ち帰りいただけます。
現存する中国最古の私設書庫・天一閣博物院(2019年2月)
ところで、寧波は上海から高速鉄道で2時間にもかかわらず、行ったことのある方は少ないのでは?「海上丝绸之路」(海のシルクロード)の重要な起点の一つで、仏教文化の中心地でもあったこの地には見どころがいっぱい。近年ですと、邦画『キングダム』シリーズの撮影地にもなった象山影視城(大規模な映画村)も魅力的ですね。なお、2019年4月に成田-寧波間のLCC直行便も就航したので(2023年1月10日から運航再開予定)、日本からも気軽に行けるようになりました。
寧波の歴史や文化を学べる寧波博物館 建物の設計はプリツカー賞も受賞している王澍氏
代表的な観光スポットには、天一閣博物院・月湖公園、老外灘、東銭湖などがあり、中心部から南西へ40キロほどの渓口風景区も大変有名です。私はというと、寧波中心部をひと通り観光した翌日は、郊外にある天童禅寺(寧波駅からタクシーで約45分)へ向かいました。かつて臨済宗の開祖・栄西禅師、曹洞宗の開祖・道元禅師、画家であり禅僧でもあった雪舟たちが修行した禅寺です。
日本と縁の深い天童禅寺
天童禅寺にほど近いところには阿育王寺(「阿育王」はインドのアショーカ王のこと)もあり、鑑真和上が2度目の航海失敗の後、この禅寺に滞在して日本へ渡る準備をしたとのこと。実際に鑑真和上が日本に辿り着いたのは6度目の航海です。日中両国の先人たちが命がけで海を渡り仏教を学び広めた、その縁の寺院を巡って、日中文化交流の歴史と将来に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
鑑真和上が一時滞在した阿育王寺
唐鑑真大師造像
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月9日