「大江健三郎氏の平和主義思想及びその現代的価値」座談会が北京で開催

中国網日本語版  |  2023-03-23

「大江健三郎氏の平和主義思想及びその現代的価値」座談会が北京で開催。

タグ:大江健三郎 平和主義思想

発信時間:2023-03-23 13:37:42 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

 日本の著名作家でノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏が2023年3月3日に逝去した。享年88歳。


 中国社会科学院日本研究所は3月22日、「大江健三郎氏の平和主義思想及びその現代的価値」座談会を開いた。


 大江氏は平和主義者で、平和憲法を堅く守り、日本軍国主義の復活を長期にわたって反対し、歴史的事実を尊重し、平和を愛し守り、中日両国の文化交流と中日友好事業の強化にたゆまぬ努力と多大な貢献をしてきた。


 今回の座談会は中華日本学会と中国社会科学院日本研究所が共同で主催し、たゆまず反戦し平和運動に積極的に身を投じたこの文学者・思想家を偲び、大江氏の平和主義思想の内包と現代的価値を探求することを踏まえ、日本の未来の発展方向を追及した。関連の学者や研究者がオンラインとオフラインの形で素晴らしい発言をした。


 中華日本学会常務理事、中国社会科学院日本研究所研究員、中日メディアが同座談会に参加した。主宰者は中国社会科学院日本研究所副所長で中華日本学会常務理事の王開虎氏。


 中華日本学会の高洪会長は以下のように述べた。大江健三郎氏は中国人民の長年の友人であり、今回の座談会は大江氏の精神を追想し、さらに大江氏の「日本の良識」を懐かしむ会である。大江氏を偲び、この「日本の良識」の精神が日本人の人間的良識を呼び覚まし、日本が危険な状況に向かう歩みを抑制し、過去の過ちを繰り返さないことを望んでいる。


 中国社会科学院日本研究所所長で中華日本学会常務副会長の楊伯江氏は、「大江氏は単なる作家ではなく、思想家、社会活動家、平和主義の守護者、戦後日本のホイッスルブローワー(Whistle blower)」だと話した。また、楊所長は次のように述べた。大江氏の平和主義の思想は基本的な事実の尊重、侵略の歴史の反省という面に現れた。そのほか、その思想は日本社会の良識、文学者としての強い社会的責任感と人文主義的配慮の面にも現れた。現在、日本は「戦後最も大胆な戦略的変化」の最中にある。「安保3文書」(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)は「専守防衛」の原則を放棄することを示した。いわゆる「反撃」というレトリックは「攻撃」の本質を隠していない。戦後の平和主義は存亡の瀬戸際に立たされている。今の時代、どの国も平和的な発展の道や互恵協力の道を歩んでこそ、持続的な発展と長期的な利益を実現することができると思う。


 中国社会科学院日本研究所副所長の呉懐中研究員は、「近頃、日本の安全戦略の変化と外交政策の調整が加速化し、その動向に注目が集まっている。この時期に大江氏を記念し、その思想と精神、主張と立場を振り返ることは非常に重要な意義を持っている。今年は中日平和友好条約締結45周年にあたり、新たな歴史のスタートに立っており、大江氏の精神を伝承し、発揚すべき時である。中日両国は手を携え、条約の精神を温め、平和的発展を促し、中日関係の正しい方向を堅持し、新しい時代に合った中日関係の構築に努めるべき」だと話した。


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