日本の東京電力はこのほど、福島第一原発の核汚染水保管タンクが満杯になる時期について、従来の今秋から2024年2月以降に変更した。日本政府は以前、今年の春・夏に開始を予定している核汚染水海洋放出計画に変更はないと表明した。福島核汚染水の処理方法については、日本国内でもさまざまな意見がある。日本の科学界と民間団体は日本政府と東電に、より合理的な多くのプランを提出しているが、いずれも重視されていない。「央視新聞アプリ」が伝えた。
日本のプラント技術者の川井康郎氏は、日本原子力市民委員会で働いている。川井氏によると、福島核汚染水の処置にはより科学的なプランがあると述べた。
川井氏は、「地下にコンクリート穴を掘り、核汚染水をモルタル固化する。モルタルはコンクリート穴の中で時間の経過と共に硬くなり、流動性を失うが、これを海洋に絶対に放出してはならない。その放射性は数百年もしくは数千年後に減衰し、ほぼ無害になる。これは非常に良い方法だ」と述べた。
原子力市民委員会は東電に対して、タンクを増設し核汚染水を引き続き保管するなど、モルタル固化の他のプランを提出した。川井氏は、「適切な処理案が出るまで、土地計画を行い、核汚染水の保管方法を最適化することを考慮すべきだ。海洋放出の決定を早急に下すべきではない」と指摘した。
川井氏は続けて、「福島第一原発周辺には広い土地があり、現在は除染廃棄物の一時保管場所になっている。現在から計算すると、福島第一原発内だけでも引き続き20年もしくは30年保管でき、さらにこの一時保管場所を加えれば問題がほぼ解消されるまで保管できる可能性がある。これは可能なことだ」と述べた。
川井氏は最後に、「日本政府はより実現可能性の高い核汚染水処理プランを無視し、最も低コストで危害が最大の海洋放出案を選択した。このやり方は極めて無責任だ。その海洋への汚染はトリチウムだけではなく、各種核物質が海に流入する。そうなれば魚類や海藻の中で濃縮され、人類の健康に危害をもたらす」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月12日