日本の経済学者の田代秀敏氏はこのほど新華社の独占インタビューに応じた際に、「真の経済的威圧者は米国だ。日本開催のG7広島サミットで発表された関連文書は自由貿易への規制、さらには否定だ。世界経済の回復を妨げ、国際的なサプライチェーンを破壊し、国家間の協力に壁を設ける」と述べた。
関連文書に記された「市場ルールに違反する政策とやり方が世界の競争・貿易・投資を歪めた」について、田代氏は「常に自発的にそうしているのが米国だ」と述べた。
田代氏は、「世界貿易機関(WTO)紛争解決制度の上級委員会は、米国が委員の選出を妨げているためストップしており、多国間貿易仲裁機関が麻痺に陥っている。米国は一方的に環太平洋パートナーシップ(TPP)から離脱した。他国に二国間協議を強い、期待通りの結果とならなかった場合、米国は経済的威圧を用いる」と述べた。
田代氏は米国の他国に対する「経済的威圧」の歴史を振り返った。米国は2018年に中国製品に追加関税を導入し、一方的に対中貿易戦争を仕掛けた。
日本の半導体産業の台頭を対象とし、米国は1986年に「米日半導体協定」の署名を強いた。さらに日本に通商法301条に基づく調査を行い、日本の半導体やコンピュータなどの各種製品に貿易制裁を実施した。これにより日本の半導体産業の競争力と発展の潜在力を弱めることに成功した。
田代氏は、「今や覇権の凋落と政府の債務不履行などのリスクに直面している米国はG7の旗印を掲げ、1986年の日本になるよう中国を威圧しようとしている」
広島サミットで取り上げられた、いわゆる「経済的威圧調整プラットフォーム」について、田代氏は「他国が同プラットフォームのルールを遵守するかは、自国の利益に合うかにかかっている。中国市場からの撤退は自国の利益を損ねる。G7の企業は理性的に意思決定するはずだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月25日