文=王旭 中国現代国際関係研究院海洋戦略研究所副所長
日本は今年4月下旬に「第4期海洋基本計画」を発表した。国家海洋戦略の基本計画として、海洋発展の促進を主旨とすべきであるにも関わらず、政府全体としての「総合的な海洋の安全保障」の推進を最重要任務とした。
日本は、「中国の軍事力増強によるインド太平洋のパワーバランスの崩壊」「中国による領海侵入」「中露海上合同演習」により、「日本の国益がかつてない脅威に晒されている」と喧伝している。「第3期海洋基本計画」(2018年)が掲げた強軍、海洋安全保障の強化、海洋状況把握(MDA)態勢の構築といった総合的な海洋安全の措置を踏まえた上で、「海洋デジタル化モデル転換」、MDA態勢のアップグレード、水中無人装備品の発展といった新たな措置を掲げた。「インド太平洋」諸国の海洋安全への援助を拡大し、「国際海洋秩序を守り発展させる」とした。
日本の国家海洋戦略は、中国けん制に焦点を絞り安全の懸念を恣意的に喧伝している。レコーダーのようにあちこちで「中国海上脅威論」を流布する日本は、東中国海・南中国海・台湾海峡の連動を策動する張本人だ。日本は持続的に概念のすり替えにより嘘の網を張り、「平和憲法」を突破し戦後の国際レジームを覆し、「政治大国化」と「海洋で中国けん制」の夢を叶えようとしている。
日本はとぼけたふりをし、自分でこしらえた海洋関連の嘘の中に浸っている。平和・協力・友好であるべき海洋がかき乱され、波が立っている。日本は約百年前に、身の程知らずにも大勢を読み間違え、戦争の泥沼にはまった。今や日本は再び歴史の岐路に立たされている。
中国は海上情勢の安定と係争のコントロールに取り組み、国際公共財を提供している。日本は混乱を願い、混乱を図り、混乱を引き起こしている。これは地域発展の需要に合わず、地域諸国の願いにも合わない。日本は今年に入り、米日同盟、クアッド、NATO、グローバルサウスなどを利用し、頑なに中国をけん制しようとする心理を隠していない。
日本の不況、人口構造の悪化、イノベーションの不足はさておき安全戦略の実施だけを見ても、日本の現在の防衛予算はすでに財源の問題を後回しにしており、自衛隊も海上保安庁も隊員募集に苦しんでいる。何によって自国の「政治大国」と「軍事大国」の野心を支えるのだろうか。
さらに重要なことは、中日両国の発展の流れが対照的であることだ。中国は陸と海を兼ね備える大国で、海岸線が長く離島が多い。中国はまた物品貿易及び海運が世界最大の国であり、海上で広く深い利益を有する。中国が海に向かい繁栄することは歴史と時代の必然であり、海洋強国の建設は中華民族の偉大なる復興の有るべき筋道だ。日本自身も、中国の海洋強国建設が着実に進み、日本に対する海上の優位性がますます高まっていることを認めている。これらを背景としながら、日本が独断専行で中日の海上の相互信頼を破壊するならば、苦しい立場に置かれるのはどちら側だろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月24日