27日付タイ紙「バンコク・ポスト」は「日本の放射能汚染水産物に関する払拭できない懸念」と題した記事で、日本による核汚染水海洋放出の強行を伝えた。タイ食品医薬品局の関係者によると、タイが日本の水産物の主要輸入国であることから、関連部門はすでに緊急会議を開き、その安全監督管理措置の強化を検討しているという。中国はそれより先に日本の水産物の全面的な輸入停止を発表した。日本の農林水産省のデータによると、日本の昨年の水産物輸出額の1位は中国大陸部、2位は中国香港で、合わせて輸出額全体の42%を占めた。「日本経済新聞」は、中国の輸入停止は日本の漁業にとって大打撃と伝えた。
日本の帝国データバンクのデータによると、漁業、農業、食品加工業などの業界を含む日本の約700社の食品輸出企業が、中国の輸入禁止の影響を受ける。26日付「産経新聞」によると、中国企業に製品やサービスなどを直接もしくは間接的に販売する日本企業は今年8月現在で9270社にのぼり、うち多くの食品企業の中国との取引額が全体の過半数を占めており、その販売が中国の全面的な輸入禁止から深刻な影響を受けることになる。同紙は、さらに多くの二次・三次取引を含む多くの企業に甚大な影響が及ぶと予想した。
東京の水産物商社「豊泉」の小森玄社長は、「欧州、米国、東南アジアを代替市場とするのも一つの方法かもしれないが、これは困難だ」と述べた。「日本経済新聞」は、「新たな代替市場の模索はゼロからの開始に近く、容易なことではない」と伝えた。日本のシンクタンクである野村総合研究所は、2022年のデータに基づき計算すると、中国大陸部及び中国香港の輸入禁止が1年に及んだ場合、日本のGDPは0.03%減少すると予想した。
26日付「ジャパン・タイムズ」によると、日本政府は800億円の予算を計上したが、これらの資金のすべてが水産物加工業に用いられるわけではない。NHKによると、その一部は風評対策に用いられる。
遼寧大学日本研究センターの客員研究員の陳洋氏は、「日本政府の800億円では、日本の水産業を根本的に救うことはできない。日本政府は正式な核汚染水海洋放出を前に国際的なロビー活動に巨額を費やしたが、効果は限定的で、G7内でも共通認識を形成できなかった。30年に及ぶ海洋放出期間は、このような疑問と懸念の声を増やし、高めるばかりで、さらには影響が拡大する可能性もある。例えば外国人客は核汚染の懸念により日本旅行を避ける可能性がある」との見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年8月28日