米国務省は28日、空対地巡航ミサイル50発及び関連設備(総額1億400万ドル)の対日輸出を認めた。米国は長期的に大量破壊兵器の拡散を防止すべきと称し、かつミサイル拡散防止を口実に頻繁に他国の実体及び個人に制裁を行っている。ところがその長距離ミサイルの対日輸出は、その果たすべき国際的な義務に背いている。
米国の対日武器輸出の拡大は、統合抑止戦略を実行し、同盟国を抱き込み、中国へのけん制と抑圧を強化することが目的だ。いわゆる統合抑止には5つの統合、つまり分野を超えた統合、地域を超えた統合、衝突の種類を超えた統合、部門を超えた統合、同盟国の統合が含まれる。米国は世界同盟体制をその最大の戦略的優位性としており、地域軍事同盟、情報協力、合同行動能力の強化に取り組んでいる。「インド太平洋」は米国の統合抑止の実施の重点で、日本はその「インド太平洋」の軍事力を強化する要塞だ。そのため米国は米日韓の軍事協力を推進し、かつ過去にないのほどの「気前の良さ」で日本に先進兵器を輸出しようとしている。「JASSM-ER」空対地巡航ミサイルの他にも、米国は極超音速兵器の迎撃ミサイルの共同開発で日本と合意した。これはアジア太平洋の陣営の対抗をさらに強化し、地域の平和と安定を脅かす。
この取引は日本にとって、第二次大戦後の専守防衛のさらなる形骸化を意味する。日本は「抵抗」を口実に自ら事を構え、地域が衝突に巻き込まれるリスクを拡大している。
(筆者・郭暁兵 中国現代国際関係研究院軍縮研究センター主任/趙可馨 上海市米国問題研究所研究実習員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月1日