中国が高敏感性黒鉛品目3種を正式に「二重用途品目」輸出規制リストに入れたと発表すると、韓国や日本などの買い手は自国企業に影響が及ぶ可能性があると見ると同時に、中国との意思疎通を強化し解決策を模索している。
21日付韓国紙「京郷新聞」は「中国が黒鉛の輸出を規制 韓国政府は中国との意思疎通の強化を発表、韓国企業は緊張」と題した記事の中で、「バッテリー製造の重要原材料である高敏感性黒鉛の輸出規制措置を受け、韓国政府は緊急会合を開いた」と伝えた。
韓国の黒鉛業界は中国への依存度が高い。韓国は2022年に価値にして2億4100万ドルの人工・天然黒鉛を輸入したが、うち93.7%が中国産だった。会合に出席した当局者は「京郷新聞」に、「これは禁輸措置ではなく、高敏感性黒鉛を輸出規制リストに入れただけだ。韓国は短期間内に在庫だけで経営を維持できるが、中国が今後輸出条件を厳しくした場合、韓国の関連産業は影響を受ける可能性がある」と述べた。
「韓国経済新聞」は、国内のバッテリー業界が衝撃を受けると伝えた。ソウル現代証券のアナリストは、「中国産黒鉛に強く依存する韓国企業もしくは韓国全体は、米国もしくは豪州から代替品を輸入する必要が出るかもしれないが、これは多くの企業のコストアップを招き得る」と分析した。
日本のエネルギー・金属鉱物資源機構のデータによると、日本の黒鉛輸入に占める中国産の割合は約9割。業界関係者は「日本経済新聞」に、「日本企業もEV用のバッテリーを生産しているが、うち多くの黒鉛原材料は中国から輸入している。新たな調達先の開拓が喫緊の課題だ」と述べた。日本の某自動車メーカーの責任者はテレビ朝日に対して、「中国の黒鉛輸出規制から一定の影響を受けている。具体的な影響の程度については慎重に調査中だ」と述べた。
日本、韓国、米国、インドは中国産黒鉛の輸入大国だ。英ロイター通信は21日、「日本と韓国の一部のバッテリーメーカーは輸入許可を得られないか、許可に時間がかかることを懸念している。短期間内に買い溜めが生じる恐れがある」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年10月23日