中日韓のテレビドラマは今年、現実的なテーマに焦点を絞り、話題の作品が誕生した。各国の今年の優秀作品は一つに留まらないが、中国の「漫長的季節」、日本の「ブラッシュアップライフ」、韓国の「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」は必ずランクインするだろう。
「漫長的季節」は歳月を越える事件の秘密と人生の贖いを主軸とし、高い再生回数を記録し話題になった。「ブラッシュアップライフ」は放送開始後に口コミが広がり、日本で多くの賞を受賞し、海外でも一定の影響力を生んだ。「ザ・グローリー」パート1・2は今年の韓国のリアリズムドラマドラマの代表格だ。この宋慧喬(ソン・ヘギョ)主演の学校のいじめへの復讐劇がネットフリックスで配信されると、非英語圏ドラマランキングで連続で首位を飾った。
この3作を見ると、中日韓の現実的なテーマを持つドラマの流行のトレンドはやや異なるようだ。「漫長的季節」の現実的なタッチには深いノスタルジーが、長年の案件の裏側には時代の風土人情と人物の運命があり、作品の魅力を増している。「ブラッシュアップライフ」の現実的な表現は非現実的な「生まれ変わり」という設定を採用。ヒロインは事故により死亡後、「徳を積む」ことで人に転生できるということで、人生を何度もやり直そうとする。細々とした日常生活があれば、人生の真理の模索もある。「ザ・グローリー」は学校のいじめがテーマで、人の心を引き付けやすい話題だ。いじめの被害者だったヒロンが当時のいじめっ子に復讐する内容だ。
これらの作品は創作レベルで、自国文化に根ざした貴いイノベーションを示している。「漫長的季節」の東北地区の昔語りと時代の反響、「ブラッシュアップライフ」の生まれ変わりの設定と日本らしいハートウォーミング、「ザ・グローリー」のいじめ問題と復讐のテーマは、ドラマの現実的な題材の創作に新たな素材と語りの融合のインスピレーションを提供した。
これらの作品はまた時代の共通性を示している。これらは「あの時ああしていれば」を物語の主軸とし、「もしも」により人生の戻れない過去と必ず迎える未来について模索し、生活らしさと劇的効果を持ち、感情に訴えやすい。
今年の中日韓を代表する現実的な題材のドラマを見ると、パターン化された制作が依然として各国のドラマ創作の基本的な規模を支えているが、視聴者からより良く認められるためには創意工夫し新しいものを作り出し、新鮮な体験を提供する必要があることが分かる。同時に視聴者の時代の情緒を深く模索し、メリハリのあるリズムにより視聴者をストーリーに引き付け、偽りの物語でその心を癒やす。この点から見ると、中日韓のこれらの人気作品は表面的には異なるが内容にはどこか共通点があり、物語の切り口は鋭いが温もりもある。(筆者・楊慧 首都師範大学文学院文化産業系准教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月14日