日本の福島第一原発で今月7日、再び核汚染水漏洩事故が発生した。東京電力は15日に発表した調査結果の中で、漏洩事故は作業員による手動弁の閉め忘れによるものとした。本件は日本国内と国際社会に大きな不安を抱かせた。
地理的環境を見ると、日本は太平洋プレートとユーラシアプレートが交わる場所にあり、地震、津波、火山などの自然災害が多発する。その地質条件は原発の発展に適していない。2011年の地震で福島原発の深刻な放射性物質漏洩事故が発生した後も日本政府は原発発展に固執し、その核汚染水海洋放出計画が国際社会から強い批判を浴びてもストップしようとしていない。日本政府が独断専行する主な目的は次の数点だ。
(一)日本のエネルギー資源の不足を補う。日本はエネルギー資源が乏しく、石油、天然ガス、石炭などの多くのエネルギー資源を輸入に強く依存している。近年のエネルギー資源価格の続騰を受け、資源保護主義が台頭している。特にウクライナ危機や、パレスチナとイスラエルによる新たな衝突が生じると、日本はエネルギー安全でより大きな挑戦を迎えた。日本はエネルギー資源の安全の苦境を和らげ、そのエネルギー安全を保証するため、原子力などの新エネの利用に積極的な姿勢を示している。
(二)財政予算の圧力を弱める。日本の経済力はバブル経済崩壊後に持続的に低下し、GDPでは2010年に中国に抜かれた。今や名目GDPではドイツに抜かれるほどになった。この状況下、日本政府は2022年12月に「安保三文書」を改定し、防衛予算を持続的に拡大している。そこで日本政府は原発発展により浮いたエネルギー輸入資金を防衛予算に回し、財政予算の圧力を弱めようとしている。
(三)原子力の兵器化に向け準備をする。日本の保守主義勢力は原子力の発展を堅持しているが、これは決してエネルギー安全のためだけではなく、原子力の兵器化により「戦える国」になるという目標を達成するという、より大きな考えがある。日本の安倍晋三元首相が日米の「核シェアリング」を喧伝した狙いもそこにある。さらに自民党内部では「核シェアリング」問題について特別の議論が行われた。これは日本の平和主義勢力が、日本政府による原子力発展に断固反対する重要な原因の一つでもある。(筆者=于海龍・中共中央党校(国家行政学院)国際戦略研究院)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年2月20日