「日本の鎮痛薬イブに中国の禁止成分」という話題が最近、検索ランキングに上がっている。「海淘」(ネットで海外の商品を購入)薬品の相次ぐ安全問題が注目されている。
国内の某ECサイトでは、イブの売れ行きが好調だ。記者が「イブ鎮痛薬」で検索すると、多くのショップがイブを販売しており、価格は3箱で40−115元とばらつきがある。累計販売量は最大で20万点を超える。これらの店の広告ページには、頭痛、歯の痛み、生理痛、体の痛みなどを和らげると書かれている。
イブの成分にはアリルイソプロピルアセチル尿素がある。国家薬品監督管理局の公式サイトの薬品、原料、補助原料などの関連データバンクを調べたが、アリルイソプロピルアセチル尿素は見つからなかった。つまり、中国ではこれを使った製薬が認められていないということだ。
「海淘」風邪薬の成分は9種
日本から輸入される風邪薬も国内ECサイトでよく売れており、月間販売量は1万点にのぼる。店側はこれらの薬を「不思議な風邪薬」「日本10大神薬」と称している。その主な薬効は、風邪症状、発熱、鼻水の緩和。多くの店はさらに「独自の調剤で、風邪に特効」「今日風邪を引いても1袋飲めば明日はいつも通り出勤」と唱えている。
ところが記者が説明書を調べたところ、その成分は9種にものぼることが分かった。国内の西洋風邪薬は通常2、3種のみだ。9種の中には風邪の熱を抑えるアセトアミノフェンや、コデイン、エフェドリン、カフェインが含まれる。これらの成分はいずれも国内で使用が厳しく制限されている。
内服薬の他にも、一部の「海淘」外用薬にも安全リスクがある。例えば痛み止めに用いられるタイの軟膏も「海淘」の人気薬品で、月間販売量は4万点にのぼる。その主要成分には樟脳、メントール、さらには名前が不明のタイの生薬が含まれ、使用には一定の中毒リスクがある。
北京大学第三病院薬剤科主幹薬剤師の王志桐氏は、「海淘薬品を自己判断で購入し服用するのは極力避けるべきだ。健康問題があるならば病院で受診すること。海淘薬品を服用後に調子が悪くなった場合は服用をやめ、早急に受診するべきだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年5月8日