90年代に日本のバブル経済が崩壊し、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の夢が潰えた。今回の持続的な円安は、日本の経済大国としての自信を揺るがした。日本の2023年の名目GDPは世界4位に落ち、1人平均GDPではG7の最下位だ。超高齢社会が訪れ、多くの社会問題が密かに生じている。このタイミングでの円安は、日本の一般人の日常生活にさらに影響を及ぼす。「環球時報」が伝えた。
日本航空(JAL)の斎藤祐二副社長は、コストをどれほど削減しても、円安が続けば日本の海外旅行者数の減少に歯止めをかけられないと述べた。JALの旅客数は今年5月現在でコロナ前の50%までしか回復していない。日本の国際線の運賃はコロナ前を大きく上回り、海外旅行のキャンセルもしくは延期を余儀なくされている日本の家庭も多い。多くの大学も夏季留学先をインフレが深刻な米国から、割安なフィリピン、タイ、マレーシアなどに変更している。
円安の悪影響に不満を漏らす日本人とメディアが増えている。日本は先ほど最大規模の為替干渉を行ったが、市場の反応は冷ややかだ。国内を見ると、日本人は高物価を受け100円ショップを頻繁に利用し、食卓の魚肉や牛肉などを減らしている。世界を見ると、円安は世界の観光客を日本に集めているが、原材料の輸入に依存する日本企業の経営が日増しに困難になっている。さらに重要なことは、日本人が内向き志向になり、頻繁に世界各地を訪れなくなったことだ。一部の日本メディアは現在の状態について、日本は「発展途上国」になったと驚いている。(筆者=孫正・在日華人)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月7日