日本の国土交通省は4日と5日、トヨタ自動車とヤマハ発動機の本社の立入検査を行った。日本自動車メーカーによる最新のデータ不正事件が深刻化している。他にも小林製薬の健康食品による消費者の健康被害、神戸製鋼の製品偽造、三菱電機による長期的なデータ不正などがある。近年相次ぐスキャンダルにより、「匠の精神」を誇りとする日本の製造業が衝撃を受けている。
製造業が下り坂に?
日本の製造業の現状については悲観する声も少なくない。一部の専門家は、日本の製造業は基礎研究の面で独自の強みを持つが、危機が下り坂に向かう転換点になることに要警戒だと述べた。
みずほ銀行ビジネスソリューション部主任研究員の湯進氏は、次のように述べた。
日本は材料科学や産業チェーン川上で基礎研究の非常に分厚い基礎を持つ。これにより川中・川下は高品質かつコストパフォーマンスが高い製品を作りやすい。また日本企業は最終製品の柔軟性が高く、取引先の需要に基づき生産し改良できる。これらは日本の製造業の強みだ。
認証不正問題が明るみに出たことで、日本の自動車産業全体が下り坂に向かうとは断定できない。トヨタを例とすると、現在の生産技術は非常に成熟しており、ガソリン車技術は以前の坂を登る時代のように大規模な改良と改善を必要としない。産業チェーンの供給を保証し、流れと要求に従い生産すれば良い。しかし近年の電動化とスマート化技術の発展に伴い、日本自動車メーカーがガソリン車時代に築いた「丈夫で、燃費がよく、壊れにくい」といった強みが消えつつある。驕り高ぶったことと、新エネ車の台頭による焦りが、今回の集団的な不正を招いた原因の一つだ。これは日本の自動車産業が下り坂に向かう伏線となるかもしれない。
日本の自動車産業には現在、確かに多くの問題が存在する。不正発覚後、各社の複数の車種の生産が停止され、産業チェーン全体に影響が及ぶ。今回の認証不正問題が日本車ブランドに深い影響を及ぼすことはないが、日本の製造業が今回の大規模な不正行為後も徹底的に改善できなければ、日本の「匠の精神」は輝きを失うだろう。家電、半導体、電子産業で次々と追い抜かれた後、自動車産業も下り坂に入れば、日本の製造業全体が自信を失うことになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月6日