日本の財務省がこのほど発表した貿易統計データ及び主要上場企業の決算報告によると、米国の関税政策が日本経済に顕著な悪影響をもたらしており、自動車・部品、鉄鋼、化学工業などの複数の業界で利益が大幅に減少している。中小企業の間では、米国の追加関税が減産などの連鎖反応を引き起こすとの懸念が広がっている。
データによると、日本から米国への自動車・部品などの輸出が明らかに落ち込んでいる。日本の7月の対米輸出額は前年同月比10.1%減の1兆7300億円となり、4カ月連続で前年割れとなった。日米貿易協定に基づく対米自動車・自動車部品の関税15%への引き下げがまだ実施されていないため、日本車は現在も27.5%の高関税に直面している。この影響で、7月の日本から米国への自動車輸出額は同28.4%減の4220億円に、輸出台数は同3.2%減の12万3500台となった。
日本経済新聞社がこのほど東京証券取引所プライム市場上場の1069社を対象に行った統計の結果によると、米国の追加関税は日本の複数の業界に広範な影響を与えている。今年第2四半期の上記企業の純利益合計は3年ぶりに減少し、前年比12%減の12兆3千億円となった。このうち、自動車・部品業界が最も深刻な衝撃を受け、第2四半期の利益は約9800億円減り、減少率は45%に上った。ホンダは関税コストの大幅増により、純利益が50%減少した。
米国の関税政策と市場の低迷という二重の衝撃を受け、日本の鉄鋼業界は第2四半期に赤字に転落した。東京製鉄は2025年4月~2026年3月期の業績予想の下方修正を迫られた。化学工業業界の第2四半期の利益は25%減少。三菱ケミカルグループの業績は強い下押し圧力を受けた。同グループの木田稔最高財務責任者(CFO)は「トランプ政権の関税政策が顧客の信頼感を低下させ、その悪影響は予想以上だ」と述べた。
大企業だけでなく、リスク耐性が低い中小企業のプレッシャーはさらに大きい。大阪の鉄鋼関連企業の責任者は、関税によるコスト増に対応するため、自動車・鉄鋼大手が海外サプライヤーに転換する可能性があり、中小企業は受注減少と雇用減のリスクに直面するとの見方を示した。業界関係者は、大企業が米国関税の打撃に対応するため設備投資を遅らせれば、中小サプライヤーの受注量が大幅に減少すると指摘した。
大阪商工会議所が7月末に行った、米国関税政策が中小企業に与える影響に関する調査の結果によると、「すでに影響が出ている」とする中小企業は11%、「受注減を懸念」は50%に上り、4月の調査時点から12ポイント増加した。
アナリストは、米国の関税政策は自由貿易体制を破壊しているが、日本の中小企業はリスク予測を強化し、事前に対応策を講じる必要があるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年8月27日
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