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敗色濃厚な日本円

中国網日本語版  |  2025-12-15

敗色濃厚な日本円。

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発信時間:2025-12-15 14:36:34 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本円国際化の最大の弱点は円の決済通貨としての機能を実現できないことだ。その背景にある深い原因は、日本企業にとっての「現地通貨の壁」だ。欧米通貨が東南アジア全体で強い支配的地位を維持しているが、これは日本円が揺るがすことができないものだ。

日本の貿易構造は独特だ。輸入面では、日本は天然資源に乏しく、大量の原材料を海外(主に東南アジア諸国)から輸入する必要がある。原材料を中心とした一次産品は主にドルで取引されるため、日本企業の輸入における価格決定力は強くない。輸出面では、日本の輸出は米国市場への依存度が高く、米国の輸入商品の85%がドルで取引される。また、日本の輸出商品の大部分は「中間製品」であり、「最終製品」は相対的に少なく、米国のような「市場提供者」になることは難しい。そのため、日本企業の輸出における価格決定力は限定的だ。

同時に、日本の輸出入多国籍企業には、親会社が為替リスクを負担する傾向が普遍的で、子会社はどの通貨での取引という問題にあまり関心を持たない。そのため、規模の大きな日本の多国籍企業の社内取引のうち円建ての割合は非常に低い。

多くの日本企業は為替リスクを防ぐため、海外経営を進める中でドルを中心とした集中型為替リスク管理体制を構築した。この体制の確立は、ドルによる規模型経済の拡大や、ドルの「慣性効果」の拡大を後押しし、日本円の決済機能をさらに弱体化させ、結果として日本円の国際化の機会を奪った。

閉鎖的で立ち遅れた日本の金融市場も、円建て決済のシェア拡大の大きな妨げとなり、日本円の運用と調達を相当に不便なものとした。

日本円国際化の失敗の教訓は、日本が相当長い期間に地域経済の基盤、金融環境、日本円相場の安定を軽視したことを明らかにしている。また、日本円はドル中心の体制下で真正面から日本円の国際通貨としての地位を求めるため、目標達成は極めて困難だ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年12月15日

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