東京株式市場の主要2指数は今年に入り連日、終値で最高値を更新している。高市早苗首相が1月下旬の衆院解散・総選挙を発表へとの報道を受け、13、14日に株価がさらに高値を更新。日経平均株価は初めて5万4千円台に乗った。
株価上昇を支える要因が日本経済の力強い回復ではないため、日本メディアではこれを歓迎する報道はほぼ見られない。ある経済学者は、株価上昇が一般国民の生活に直接的な改善をもたらしていないと指摘。賃金の上昇率が物価上昇率を追い越せない状況が近年続き、実質賃金が減り続けている。人々は依然として消費能力の低下が続く苦境に陥っている。
では景気低迷の日本において、東京株式市場の続騰をけん引しているのは何か。
まず、日本の金融環境が非常に緩和的であることが挙げられる。日銀は昨年3月にマイナス金利政策を終了し、利上げの軌道に入った。しかし日本全体が過去30年でデフレと超低金利、さらにはマイナス金利環境に慣れていることを考慮し、慎重に利上げを進めている。3回の試験的な利上げとほぼ1年にわたる困難な判断の末、昨年12月に政策金利を0.5%から0.75%に引き上げるに留まった。日銀の植田和男総裁は、世界的に見ると0.75%に引き上げても低金利であり、日本の金融政策環境は依然として緩和的であると述べた。
次に、極度の円安が挙げられる。日本国内では人手不足と消費低迷が続いている。日本の大企業は国内市場の発展を楽観視していない。そのため、海外で得た巨額の収益を国内に戻すことは少なく、引き続き海外事業の発展を目指している。この状況下で、日本の大企業の利益は帳簿上の数字に過ぎないことが多く、海外収益を円に換算して国内に戻す需要は低迷が続く。また日本は近年、貿易赤字が続いており、これが円安の構造的な原因ともなっている。さらに、高市氏が積極的な財政政策を推進し、緩和的な金融政策を好んでいることが、円安傾向をさらに助長している。
物価高が企業の業績を押し上げている。日本の生鮮食品を除くコア消費者物価指数(CPI)は昨年11月に前年同月比3.0%上昇し、51カ月連続で上昇した。続く物価高により、コスト転嫁や値上げを恐れる日本企業の長年のデフレ心理が明らかに薄れている。価格改定に慣れ、それによって利益を得る企業が増えている。インフレ環境から利益を得る多くの企業が量と価格の両面から売上を増やし、企業の収益を大幅に増加させることで、株価高を後押ししている。
海外からの資金流入が続いている。緩和的な金融環境、円安、インフレの持続という3つの要因が絡み合い、多くの海外機関投資家が日本の株式市場に集まっている。海外投資家の持株比率は2024年度に記録的な32.4%に達した。同期の日本の金融機関は28.3%で、個人株主はわずか17.3%。同時に、海外機関投資家は取引に熱心で、売買が活発だ。取引額の約7割を占めることが多く、東京株式市場を左右する最も重要な力となっている。
最後に、日本の株価の高低は日本国内の経済状況によって決まるものではない点が挙げられる。みずほ証券の元チーフマーケットエコノミストである上野泰也氏は、日本国内市場の規模が限定的で、さらに縮小する傾向があるため、日本企業の主戦場はすでに海外に移っていると指摘。そのため、日本の株価が反映するのは日本国内の経済状況ではなく、海外で事業展開する日本企業の業績の見通しだ。日本企業の収益は海外事業に大きく依存しており、海外からの収入が総収入に占める割合はしばしば40%、さらには50%以上にのぼる。そのため海外での業績が、市場における企業の収益力を評価する上で最も重要な指標となっている。
日本経済新聞社編集委員の小平龍四郎氏は、日本経済研究センター理事長の岩田一政氏の見解を引用し、バブル経済崩壊後の約35年間、日本の実質賃金はほぼ減少し続けており、消費は低迷していると指摘。過去10年以上の間、日本の1人当たり労働生産性は停滞しているか、さらには緩やかに低下している。小平氏は「東京株式市場の最高値更新が続いているが、日本経済の慢性疾患は治っていない。状況は今なお深刻だ」と語る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年1月19日
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