円安が続き、4月には円の実質実効為替レートは1973年に日本が変動為替相場制を導入して以来の最低水準にまで落ち込んだ。円は国際機関から「世界で最も弱い通貨」とも呼ばれている。この状況下、日本人の購買力が低下し、企業の経営コストが増大している。回復力の乏しい日本経済はさらに苦しい状況に陥っている。
国際決済銀行(BIS)のデータによると、2020年を基準とした場合、円の実質実効為替レート指数は4月に65.70まで下落。1973年に日本が変動為替相場制を導入して以来の最低水準となった。
円安進行を抑えるため、日本政府は為替介入を実施。その規模は円安局面における過去最大を記録した。しかし市場では、介入だけでは「対症療法」に過ぎず、円安の流れを根本的に変えられないとの見方が一般的だ。
また財務省が最近発表したデータによると、2025年末時点の日本の対外純資産は561兆7500億円で、前年より4.4%増加した。7年連続で過去最高を更新したものの、世界ランキングでは3位に後退。ドイツと中国に相次いで抜かれ、34年間守ってきた首位の座を失った。報道によると、日本の対外資産は増加したものの、対外負債の増加幅の方が大きく、純資産規模をさらに圧迫している。
最近の円安進行は、長期的な経済の構造問題と外部からのショックが重なった結果だ。中東情勢により国際原油価格が高止まりし、エネルギー価格の急騰は石油供給をほぼ完全に輸入で賄う日本に大きな打撃を与えている。輸入インフレをさらに悪化させ、円の購買力を一層弱め、円安傾向を強めている。
さらに高市早苗首相の就任後、市場では日本の財政悪化に対する懸念が一層強まっている。まず巨額の補正予算を編成し、大規模な景気刺激策を打ち出したうえ、過去最大規模となる新年度予算案が閣議決定された。その中で、国債の元本および利息の返済に充てる国債費は過去最高を更新。政府債務残高が国内総生産(GDP)の240%に達している日本にとって、減税、補助金、大規模な財政支出は、必然的に債務負担をさらに重くし、円安を一層進める要因となる。
円の通貨価値の低下は一見すると、金融指標の変化に過ぎないようだが、その最終的な代償は日本の一般国民と企業が負担する。
日本メディアによると、円の購買力の急落により、すべての輸入品の価格が直接押し上げられ、石油、天然ガス、食品、日用品が全面的に値上がりしている。一般の国民や中小企業にとって、円安はまさに「生活の冬」をもたらしている。日本はエネルギーの約90%、食料の約60%を輸入に依存しており、円安は深刻な輸入インフレを直接引き起こしている。
日本の3月のコーヒー豆価格は前年同月比で54%上昇し、チョコレートは24%上昇。主食の米さえ一時的に急騰した。賃金の伸びは物価上昇に遠く及ばず、その結果、日本の家庭のエンゲル係数は1980年以来の最高水準に達した。一般家庭は非生活必需品の消費を大幅に削減せざるを得なくなっている。
共同通信によると、中小企業の状況はさらに厳しい。原材料の輸入コストが急騰し、利益の余地が狭まり、経営圧力が急増している。食品メーカーが包装材料のコストを消費者に転嫁しているため、日本では今夏、多くの食品が値上げされる見込みだ。
経済産業省は、日本は米国のほかに中南米や中央アジアなどからの代替調達を拡大しており、6月にはアフリカにも拡大する見通しと発表した。しかし調達ルートが増えたとしても、高騰する輸入価格は依然として企業コストを押し上げ、国民生活に圧力を与え続けるとみられる。
理論上は、通貨安で自国製品の輸出競争力が上がる可能性がある。自国製品の海外市場での価格が相対的に低下するため、輸出増を促し、日本経済を支える効果が期待される。しかし現在、日本は生産拠点の多くを海外へ移転しているため、円安によるこうした促進効果は、かつてほど顕著ではなくなっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年6月2日
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