(6)社会の調和と安定を促進し、法に基づく行政・統治(ガバナンス)方式の刷新を推し進めた。国務院は、全国人民代表大会常務委員会に法案を11本提出して審議・承認を求めたほか、行政法規を8本制定あるいは改正した。政務公開の推進を加速し、電子政府とオンライン行政サービスを押し広めた。重要政策の実施状況に対する監督・査察および問責の仕組みを確立し、第三者評価の導入を広げた。自然災害と突発的事態に効果的に対処した。労働安全の監督管理の強化により、事故総数と重大・特別重大事故、重点産業事故の件数が引き続き減少した。食品安全創生モデル事業を推進した。社会治安総合対策を強化し、各種の違法・犯罪行為を法に基づいて取り締まり、公共の安全を力強く守った。
われわれは「三厳三実(厳しく身を修め、厳しく権力を用い、厳しく自らを律すること[三厳]と、計画は現実的に立て、事業は着実に進め、人として誠実であること[三実])」特別教育を踏み込んで展開し、党中央の「八項目規定(大衆路線の徹底、仕事における無駄の抑制など)」の精神を粘り強く貫徹し、「四つの悪風(形式主義・官僚主義・享楽主義・贅沢浪費の風潮)」を断固是正し、国務院の「法三章(①庁舎等の新築・改築・拡張、②政府機関等の人員定数、③海外出張・公務接待・公用車の経費という三点の抑制に関する約束事)」を厳格に履行した。行政監察と会計監査を強化した。党風・廉潔政治建設と反腐敗闘争を強力に推し進め、多くの腐敗分子を処罰した。
われわれは中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年を盛大に記念し、世界反ファシズム戦争の東方の主戦場としてのわが国の歴史的位置付けと大いなる貢献を集中的に宣明し、各国の人々とともに平和を擁護し正義を守っていくという中国人民の固い信念をはっきりと示した。
この一年、全方位外交は多大な成果をあげた。習近平主席をはじめとする指導部の面々は多くの国々を歴訪し、一連の国連サミット、20ヵ国・地域首脳会合(G20サミット)、アジア太平洋経済協力(APEC)非公式首脳会議、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)首脳会合、東アジアサミット(EAS)・関連会議(ASEAN+1、ASEAN+3等)、世界経済フォーラムなど重要な催しに出席した。中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)サミット、中国・EU首脳会議を成功裏に開催し、中国・中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)フォーラムをスタートさせた。主要大国との関係が新たな進展を遂げ、周辺諸国との実務協力がいっそう進み、発展途上国との友好協力が絶えず広がり、国連など国際機関・国際的枠組みとの関係が全面的に強化され、経済外交、人的・文化的交流が著しい成果をあげた。中国は責任ある大国として、国際的・地域的な取り組みにおいて、重要かつ建設的な役割を果たした。