2016年には中国最大かつ最新のロケット発射場、海南文昌衛星発射センターが稼働開始した。ロケット「長征5号」「長征7号」の初飛行任務が行われた。宇宙実験室「天宮2号」と有人宇宙船「神舟11号」がドッキングを実現した。2016年の宇宙事業はサプライズの連続だったが、2017年はどのような展開を見せるだろうか。2017年の宇宙カレンダーを開くと、どのような「小さな目標」があるだろうか。ラジオ局「中国之声」の番組「新聞晩高峰」が伝えた。
「天舟1号」、4月に宇宙給油
天舟1号は全密封型補給船で、離陸重量は13トン、物資輸送能力は6トン。船内は2部屋で、5トンの貨物を宇宙に届けることができる。
中国有人宇宙事業弁公室副主任の武平氏は「上半期には長征7号ロケットで天舟1号を打ち上げ、天宮2号とのドッキングを行う」と述べた。
「北斗3号」、7月頃に打ち上げ
衛星測位システム「北斗」は現在、衛星14基と地上の観測点32カ所による、宇宙と地上で同時運行する「北斗2号システム」を形成している。中国は2015年以降、北斗世界測位試験衛星を5基打ち上げている。すでに試験と検証を終え、「北斗3号」衛星の基礎を固めている。
北斗3号は衛星間の伝送、地上伝送機能一体化デザインを採用し、高軌道・低軌道衛星及び地上観測点間のリンク構築を実現しており、最終的に全世界を網羅することになる。つまり2020年頃に、北斗衛星35基によるネットワークの構築を完了する。北斗3号は今年7月に初の打ち上げを予定している。1度に2基打ち上げ、年内に6−8基打ち上げる。
北斗衛星測位システム副チーフデザイナーの李祖洪氏は「世界的な衛星測位システムを発展させる。つまり世界のユーザーに衛星測位信号と、全天候・24時間・高精度の測位サービスを提供する」と説明した。
「嫦娥5号」、12月頃に月探査を再開
月探査機「嫦娥5号」は、軌道モジュール、帰還モジュール、上昇モジュール、着陸モジュールからなる。中国の月探査事業「周回・着陸・帰還」という3ステップの最後の1歩を担当する。中国は月探査・帰還の技術を持つ、世界で3番目の国になる。嫦娥5号探査機システム副チーフデザイナーの張伍氏は「中国で推力が最大の長征5号ロケットにより、海南文昌衛星発射センターから12月頃に打ち上げられる」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月4日