イギリスメディアの記事によると、2016年に中国の出生数が高い伸びを見せており、2人目の子供の割合が大幅に上昇したという。
2015年10月、中国は長年続いた「一人っ子政策」を終わらせると共に、2016年1月1日から「二人っ子政策」を実施した。2003年から2013年まで、中国の出生数は1600万人前後で推移してきたが、中国国家統計局の概算によると、2016年にその数は1786万人以上となり、出生率は1.7を超えた。2人目の子供の割合が45%を占めた。
イギリス「ロイター通信」によると、中国政府がすべての夫婦に対し2人目の子供を産むことを許可した2016年は、2000年以降で最大の出生数となった。中国国家衛生計画出産委員会・計画出産指導司の楊文庄司長は、2016年の中国での出生数は1786万人で、「第13次五か年計画」期間の年平均出生数より140万人以上増えたことを明かした。出産適齢女性の総人口が500万人前後下がっている中で出生数が明らかに増加したのは、2人目の子供の割合が大幅に上がったためである。出産政策の調整がタイムリーかつ有効なものであったことを裏付けている。
香港紙「南華早報」によると、2013年以前の中国での2人目の子供の割合は一貫して30%前後だったが、昨年、その割合は45%以上となった。1970年代末から1980年代初頭生まれの出産適齢女性は2人目の出産を望んでいる。2017年と2018年に出生数はピークを迎え、1年あたり2000万人の新生児が生まれると予想する。
また韓国紙「東亜日報」は、中国政府による「二人っ子政策」の全面実施の影響により、2016年の中国の出生数は2000年以降で最高を記録したと報道。今後2年間で正式に「ベビーブーム」が到来し、中国経済だけでなく世界経済に大きな波及効果をもたらすと報じている。
「二人っ子政策」の実施から1年が経った現在、同政策は全面的に展開されようとしている。国務院の「国家人口発展計画(2016~2030年)」は、2016年の出生数は1786万人以上となったが、これは「二人っ子政策」実施の効果の表れだと評価する。興味深いことに、省別でその効果に差がみられる。部分的な調査結果からみると、東部の省より中西部の省のほうが、その効果が高い。また大都市より中小都市のほうが、その効果が高い。その要因として、まず経済要因が挙げられる。2人目の子供を育てるとなるとコストがかかる。政策効果で2人目の子供がほしいと考えても、経済的な面でそれが抑制される。次に、文化的な要因が挙げられる。伝統文化が色濃く残る場所であるほど、2人目の子供を産む比率が高まる。
「二人っ子政策」の実施により、様々な波及効果が生まれる。まず、これまで抑圧されていた、国内の労働者が持つ子供を産みたいという欲求を解き放つことができ、出産権の面で国内外の格差が縮小される。次に、出生数が徐々に増加すれば、中国の高齢化が一定程度緩和される。経済のモデルチェンジや社会保障の持続的発展の時間稼ぎになる。最後に、出生数のプチピークを迎えることで、国内需要が一定程度喚起され、経済のちょっとした下支えになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月7日