野村総研:中国のITサービスに関するイノベーションが既に世界最先端

野村総研:中国のITサービスに関するイノベーションが既に世界最先端。 中国経済の世界に対する影響力は極めて大きいため、中国の経済成長の鈍化が世界で大きな注目を集めている。

タグ: 中国経済

発信時間: 2016-03-12 09:22:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国経済の世界に対する影響力は極めて大きいため、中国の経済成長の鈍化が世界で大きな注目を集めている。今中国経済に必要なことは、新たな成長を生み出す供給力を生みだしていくことであろう。またそのためには、特定産業における生産設備の過剰解消や合併再編等による過当競争防止、というような荒治療も果敢にやり遂げていかなければならない。今後の中国経済の成長の源泉は、「投資効率の改善」と「労働生産性の向上」であろう。投資効率の改善とは、過当競争による重複投資の防止や非効率投資の改善である。中国は、道路や鉄道などのインフラ整備や生活環境改善、環境汚染防止などの公共インフラ投資分野においてはまだまだ投資すべき対象が多く残されており、投資は今後も経済成長の動力のひとつにしていくことができる。一方の労働生産性向上については、現在の中国にはまだ向上する余地が大きい。まず中国全体平均で見れば労働生産性の絶対値がまだ低い。また勤労者の第1次産業から第2次、3次産業への移転は今後も進むし、IT化による生産や業務の効率化、企業経営の高度化なども確実に労働生産性を向上させていくことができる。しかしさらに持続的に経済成長していくために重要な要因がある。それは製品やサービスのイノベーション促進である。 イノベーションには、「技術的イノベーション」とビジネスモデルなどの「ソフト的イノベーション」があるが、どちらも商品の付加価値を不連続的に高められるものである。イノベーションが起こると、当然労働生産性の数値も上昇し、経済成長の大きなかつ持続的な動力になる。

中国は「創新」と名づけるイノベーションを国家戦略として推し進めており、ターゲットを定めた分野に巨額の投資も行ってきている。また中国政府は国民の起業を推奨し、そのための政策的な後押しも積極的に行っている。事実、中国ではITサービス分野に関しては、アリババやテンセントを先導役としてイノベーションが絶え間なく生み出されており、この分野では既に世界最先端レベルにある。日本企業のイノベーション力の向上は、1960~80年代における日本の高度経済成長と軌を一にする。この時期、日本は官民が協力し総力を挙げて産業分野の研究開発に投資を行った。経済の持続的成長のためには、技術イノベーションの推進による国際競争力強化が不可欠であると考えていたからである。

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