2012年ロンドン五輪が閉幕したが、オリンピックの価値と影響力は高まり始めたばかりだ。ロンドン五輪のスローガンは、「Inspire a generation」(世代を超えたインスピレーション)であったが、若者に対する影響はいかほどのものだろうか。中国青年報の社会調査センターは、調査サイトの題客調査網と民意中国網を通じ、7305人を対象にアンケート調査を実施した。その結果、回答者の81.9%は、「ロンドン五輪が自分の観念や行動に影響をもたらした」と回答した。中国青年報が伝えた。
◆オリンピックによる「スポーツブーム」
中国新聞網の報道によると、清華大学のプールでは水泳を学ぶ人が激増し、コーチの人数も昨年の2倍に達した。武漢や広州でも水泳の団体チケットが販売されており、数千人が購入に走った。このような状況は、ロンドン五輪前ではめったに見られなかった。
今回のアンケート調査のうち、回答者の26.9%は「ロンドン五輪後、スポーツをより注目・重視するようになった」、11.8%は「スポーツクラブやジムへの参加を決めた」と回答した。また13.5%は、「ロンドン五輪後、周囲でスポーツに取り組む人が増加した」と回答した。
北京市の某スポーツジムの李霏氏は、「スポーツジムの経営者らは、オリンピックによるスポーツブームが短期的な効果ではないと見ている。国家と社会全体がこの機会を利用し、『全民運動』のため力を費やすことで、オリンピック効果を持続することができる」と指摘した。
◆金でなければ失敗か?
同調査によると、回答者の31.2%は「ロンドン五輪の選手に励まされた」と回答した。
河南省のメディア関係者の孫学涛氏は、「ロンドン五輪開催中、多くの選手から影響を受けた。特に劉翔の110mハードルの失敗が印象的だった。人生は山あり谷ありで、勝利を収められると思っていたのが、予想もしなかった挫折を経験することもある。これとどう向き合い、克服するかが重要だ。劉翔の転倒にはさまざまな意見があがっているが、劉翔本人はそれよりも、中国人がスポーツと金メダルに対する正しい観念を持てるようになるかを重視している」と語った。
同調査によると、回答者の29.8%は「ロンドン五輪により、メダル数よりスポーツマンシップの方が重要であることを意識した」と回答した。
孫氏は、「我々はみな積極的に競争に参加しているが、1位でなければ失敗であるかのように思われている。このような観念は、オリンピックの金メダル争いからも見て取れる。功利的な1位に対する意識は、我々が反省すべき問題だ」と指摘した。
◆次回のオリンピックに向けて
同調査のうち、回答者の35.6%は「ロンドン五輪は、世代を超えたインスピレーションの役割を果たした」と回答した。しかし38.0%は、「現在もまだ実現されておらず、今後の進展を見守る必要がある」とした。具体的に見ていくと、回答者の43.7%は「より多くの人がスポーツを重視し、参加することに期待する」、40.3%は「スポーツマンの不屈の精神を学んで欲しい」、37.6%は「社会全体が金メダルではなく、スポーツマンシップを重視して欲しい」と回答した。
回答者の49.8%は、「より多くの体育施設の無料開放により、『全民運動』の実施を推進して欲しい」とした。また回答者の32.6%は、「企業が体育施設を増加し、社員の運動を奨励して欲しい」と回答した。
「人民網日本語版」2012年8月22日