林国本
四川省雅安市の蘆山県域で発生したマグニチュード7の地震は、死者196人の損害をもたらした。しかし、今回の震災に対応する上で、すべての国民が感じたのは、中国のクライシス・マネジメントの格段のグレード・アップ、組織力、動員力のすばらしさであろう。
震災後ただちに現地及びその近辺に駐屯していた人民解放軍、武装警察の将兵や救援隊、医療チームが駆けつけ、救援活動に取り組んだ。そしてマスコミ各社が多くのスタッフを送り込み、あらゆる角度から報道したため、すべての国民は的確に実情をつかみとることができた。山間部の地滑り、土砂崩れ、落石による道路の寸断で一時救援物資の輸送に影響が現れたこともありのままに伝えられた。
各地からテント、飲み水、食糧などがどんどん運び込まれ、山間部の道路が寸断している地域にはヘリコプターで物資が運ばれた。心理面の力ウンセリングを行う人たちも送り込まれた。被災者たちは政府、同胞が温かく見守っていてくれることをよく知っているので、悲愴感というものが感じられなかった。
今後も、自然災害がどこかで発生することは否めないので、こうしたクライシス・マネジメント面でのグレードアップは大いに必要であろう。今後もう少し改善の余地があるとするならば、ライフラインの復旧、交通ルート、通信インフラの復旧をさらにスピードアップすることであろう。今回はいろいろな新しい機器が投入されたようだが、今後、北斗測位衛星の常時利用など近代科学の粋を利用したものを十分に活用することも考えられる。もちろん、災害が発生しないことが一番望まれるが、どうしても不可抗力ということもありうるので、今回の成果、実績を存分に生かして国民の安全を守ることはおろそかにできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年5月5日