高精度のカーナビ、圏外でもショートメッセージを送信できるスマートフォン、緯度と経度を表示できる腕時計--。「北斗の応用--チャンスと試練」をテーマとする第4回中国衛星測位学術年次総会が武漢市で開かれ、200社余りが最先端の北斗端末を展示した。新華網が伝えた。
昨年12月にアジア太平洋地域で正式にサービス提供を初めて以降、中国の衛星測位システム「北斗」は応用普及の新たな段階に入った。今回の総会で北斗システムの設計主任・孫家棟氏(中国科学院院士)ら専門家は「北斗システムの提供する測位、ナビゲーション、時報、ショートメッセージなどのサービスは、すでに交通運輸、気象、林業、測量、緊急救援などの分野で応用が成熟したのみならず、大衆のカーナビ、スマートフォンなどでも徐々に製品化され、庶民の生活への進出を加速している」と指摘した。
衛星測位技術と応用の成果の展示で、技術者が北斗測位システムを利用した腕時計を見せてくれた。内蔵のセラミックアンテナとセンサーを通じて北斗から時間や測位情報を受信し、一分一秒の同期を実現する。また、コンパス、温度計、気圧計などの機能を備え、野外探検や測量での使用に適している。
「この北斗携帯はモバイル通信が中断された状況下でも北斗衛星のショートメッセージや測位、ナビゲーションをすることが利用できる」。技術者によると北斗携帯は電子コンパス、加速度センサー、光センサーなどの機能を備え、圏外の場所でも北斗を通じて同種の端末との間でショートメッセージを送信でき、地震など緊急状況下や海洋、砂漠での使用に特に適している。
孫氏は「衛星測位はソフトウェア、製造、データ、サービスなど複数の業種を融合する複合型ハイテクスマート情報産業としての特徴を呈しつつある。将来は普通の庶民が衛星測位システムによる情報サービスをより多く享受できるようになる」と指摘した。
「人民網日本語版」2013年5月19日