夕食も取らずに、筆者は松本温泉という旅館を訪れた。とても小さな旅館だ。もっともこの村自体、とても小さいのだが。
村には1本の道がある。道沿いには個性のある温泉旅館がいくつか並んでいる。
旅館の主人は漢方に関する資格証を持っており、証書が壁に掛けられていた。温泉は非常に小さく、2人入るのが精一杯の広さだ。しかし、この村で最も欠かせない名物は朝5時から始まる朝市である。
村で立つ市。魅力的な響きだ。筆者は眠たい目を擦りながら翌日朝5時に起き、朝市に向かった。小雨が降っていたものの、期待通りの市である。ただ賑やかさは予想以上だった。