雲南省西部の戦場に残された旧日本軍の防護マスク(731問題国際研究センター提供) |
第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍に存在した研究機関「731部隊」はかつて、中国の雲南省でコレラやペスト菌などによる生物兵器を使った大規模な細菌戦を2度実行した。黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市社会科学院731問題国際研究センターが30日に明らかにしたところによると、同センターの雲南省西部抗日戦争史調査研究課題グループは今年、初めて雲南省に出向き、大日本帝国陸軍が雲南省西部で行った細菌戦の調査を実施し、実際に細菌戦や毒ガス戦が行われたことを示す大量の証拠を発見した。中国新聞網が報じた。
同グループは今年5月、雲南省西部の保山市や騰冲県、龍陵県、梁河県、盈江県、隴川県などで実地調査を展開。松山戦場遺跡や国殤墓園、中国遠征軍抗戦地など、15の戦争遺跡のほか、騰冲県、梁河県、盈江県などにある、ペスト菌による生物兵器が使われ甚大な被害が出た地域、旧日本軍の慰安所跡などを視察した。
同センターの責任者、楊彦君氏は「日本南方軍は1942年5月3日、雲南省を攻撃し、西部の怒江から西の地域を約2年占領した。現地ではこれまでにも、731部隊と南方軍防疫給水部(岡9420部隊など)が、雲南省とミャンマーの国境付近で細菌攻撃を実施し、保山市や昆明市などを細菌戦の最重要ターゲットとしたという情報が広く出回っていた」と語る。