ドイツに拠点を置く中国出境遊(海外旅行)研究所は、2013年7月1日から14年6月30日にかけて、海外旅行する中国人観光客は1億600万人に上ると予想している。国連世界観光機関(UNWTO)が発表した予想より1年前倒しで1億人の大台を超え、消費総額は1290億米ドルに達するとの見通しを示している。
データによると、中国における2012年の海外旅行者数は8300万人であり、海外旅行で支出した金額は前年比40%増の1020億ドルに上り、11年首位のドイツ、2位の米国を抜き、トップとなった。しかし、13年7月1日から14年6月30日の1年間、中国人海外旅行客による消費額の伸びはわずか17%に止まると見られている。中国出境遊研究所の王立基氏は「贅沢や浪費を規制する中国政府の新政策が官僚らの海外旅行に影響を及ぼしている」との見方を示した。
王氏によると、ヨーロッパで30万ドルの時計をキャッシュで買う中国人旅行客がおり、一部には海外で高級品を買う中国人には違法な目的があるとの噂もある。つまり、「大量の現金を持って店を訪れた場合、関係者はマネーロンダリングが目的ではないかと疑う」と言うことである。
中国人の海外旅行における消費の伸びの鈍化は、免税店での消費の伸びにも反映されている。免税手続きサービスを提供する世界最大手のグローバル・ブルー社の統計から、2013年の中国人海外旅行客による免税店での消費額の伸びを見ると、1月は16%、2月は26%、3月は19%で、2012年の58%を大幅に下回ってることが分かる。海外旅行における消費の伸び鈍化のもう一つの要因は、富裕層ではない中国人も徐々に海外旅行をするようになったことにある。彼らの一人当たりの消費額はこれまでの富裕層に及ばない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年8月24日