■ユーモアに溢れた表現を好む外国人
このほか、面白い言葉の現象として、中国語を直訳した英語「チングリッシュ」(Chinglish、中国式英語)がある。典型的なチングリッシュと言えば、「Long time no see」(好久不見、久しぶり)だが、これはすでに標準英語辞典の中の中国式英語の例文として収録されている。
南京大学海外教育学院副院長の徐昌火教授は、「英語の語法、単語の意味・語法の制約、背景にある文化の意味が理解できない、或いはあまり深く理解していないため、中国人はつい中国語の表現方式に直接英語をあてはめて使ってしまう」と語る。
一方、チングリッシュに心を奪われる外国人もいる。シンガポール出身の浙江大学医学院に通う留学生、何専挙さんは中国語と英語のバイリンガルだが、初めて「People mountain people sea」(人山人海、人でごった返している様子)という表現を聞いたとき、そこに内在する文化的な意味をすぐに理解できたという。「友達と話すとき、時々このような表現方法を使うことがある。非常にユーモアに溢れていて面白い」と何専挙さん。
トロント大学のカナダ人学生ウィリアムさんは中国語を習ったことはないが、チングリッシュに触れる機会は少なくないという。「中国人留学生のクラスメートたちはいつも私に、『Good good study, day day up』(好好学習、天天向上、一生懸命勉強すれば、毎日上達する)というフレーズを教えてくれる。このフレーズは言いやすいし、覚えやすい。今ではサインをするときに使っている」と語る。
米国の言語研究団体、グローバルランゲージモニターは世界的視野と英語が発展する視点から、「中国式英語は喜ばしい言語の合成語」としてチングリッシュに高い評価を与えている。