死刑囚からの臓器提供依存解消へ
2010年3月から衛生部(当時)が中国赤十字総会と共同で、中国の19の省で臓器移植の試験実施を始めて以来、今年8月9日までに、全国で1006例の臓器移植を成功させた。公民が死後提供した臓器が全体に占める割合は3年前のほぼゼロから、約23%にまで上昇した。国家衛生計画出産委員会の関連部門が発表した。
2012年3月、衛生部副部長、国家衛生計画出産委員会臓器移植臨床技術応用管理委員会主任の黄潔夫氏は、臓器提供を志願する公民は少ないため、臓器提供は主に死刑囚に頼っていたと明かす。
北京大学臓器移植研究所所長、北京大学人民病院肝胆外科主任の朱継業氏は「中国経済週刊」のインタビューに応じ、「2010年の試験実施前は、中国の臓器移植のすべての臓器が死刑囚から提供されていた。我々の病院ではこれまで4000例の肝臓、腎臓移植手術を行ったが、すべてが死刑囚の臓器だった」と記者に紹介した。
中国の死刑囚による臓器提供は志願制である。1984年10月、最高人民法院、衛生部、民生部などが連名で実施した「死刑囚の屍体あるいは屍体臓器の利用に関する暫定的規定」において、「遺体の引き取り手がない、あるいは家族が引き取りを拒否した場合、または死刑囚が医療衛生機関への献体を望んだ場合は、家族の同意を得た上で、死刑囚の遺体または臓器を利用することが可能」と明確に記されている。
8月16日に開催された「2013年中国医院フォーラム」において黄潔夫氏は、「死刑囚の臓器提供があったからこそ、中国臓器移植の今がある」と話した。