『Whore Of The Orient』(東洋の娼婦)のゲーム画面。
オーストリア紙「The Age」2日付記事によると、ゲーム『L.A.ノワール』を開発したシドニーのゲーム開発会社「Team Bondi」の新作、『Whore Of The Orient』(東洋の娼婦)が民族差別的だとの声が出ている。このゲームは「20世紀の知られざる物語が明かされる」と謳い、舞台は1936年の上海。「そこは世界で最も堕落した都市。相応の金さえあれば、何でもできる場所である」としている。オーストラリア・モナッシュ市の公務員で28歳の中国系オーストラリア人である露介雍さんは、政府の資金支援によって作られたこのゲームは「中国の文化や歴史、伝統を侮辱するものだ」と考えている。
記事によると、『Whore Of The Orient』は『L.A.ノワール』の続編である。『L.A.ノワール』はアメリカ・ロサンゼルスを舞台とした探偵アドベンチャーで、2011年5月に発売されて以来、500万本以上を売る大ヒット作となっている。今年6月、ニューサウスウェールズ州は『Whore Of The Orient』制作への支持を宣言すると共に、50万ドルの出資を行った。このゲームの名称の検討について尋ねられた際、ニューサウスウェールズ州の映画テレビ制作局のスポークスマンの1人は、「映画テレビ制作局として、名称など開発テーマにかかわる制限は加えない。投資の可否はプロジェクトの創造性と完備性および申請人のプロフェッショナルな資質で決められる」と発言している。このスポークスマンはまた、ゲーム名称は「このゲームの内容にかかわりのあるものではない。『東洋の娼婦』とは上海の歴史的別称である」とも述べていた。