『中国合伙人』では、「世界を変えるのではなく、自分を変える」ことをテーマにしたシーンが度々描かれている。孟曉駿(モン・シャオジュン)がニューヨークでの取引中、米側の同意を得るために「中国は変わろうとしているのに、あなた方は一向に変わらない」と漏らす。『中国合伙人』では、中国での成功は成功ではなく、米国に認められて初めて真の成功が得られるという自信が欠乏した心理状態を露にしている。映画の最後は、成功を収めた成東青がかつて孟曉駿を蔑視した米国の実験室に大金を寄付し、その替わりに実験室を「孟曉駿実験室」に改名してもらうというものであった。
中国がもし80年代に形成した自国文化に対する劣等意識を払拭できなければ、今後も「中国合伙人」的中国人しか生まれず、米中間の距離は『スティーブ・ジョブズ』と『中国合伙人』の距離に留まってしまう恐れがある。
中国人の敗北主義は、当時の知識人の中国近代史ないし世界の近現代史への過った理解が生み出したものだ。東西の文化はそもそも大きく異なる二つの文化であり、そこには優劣の差も高低の違いもない。各界とりわけ文化界の人士は、中国文化への信念の再構築に向け積極的に努める必要があるのではないだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月12日