お客と美容師の森口亜希子(右)さんに通訳をするオーナーの劉歓子(リウ・ファンズー)(左2)さん。
街に美容院があるのは何ら不思議な点はないが、美容院でハサミを持つ美容師が一言も重慶弁を話せないというのはとても新鮮だ。
彼らは食べ慣れない回鍋肉(ホイコーロー)を食べ、筆談で街の住民とコミュニケーションを図る。彼らはみな日本人で、北環状線付近の龍湖(ロンフー)MOCO地区の美容院で働いている。
7人の美容師全員が日本人
昨日の正午、今ではすっかり名の通ったこの美容院で、5、6人のオシャレな若者が美容院中央の収納ケースを囲んで道具を整理していた。
お客が入ってくると、可愛らしい菜美さんが笑顔でお辞儀をしながら「ニーハオ(こんいちは)」と出迎えた。美容院には男性4人、女性3人の計7人の日本人美容師がおり、年齢は28歳から48歳までで、みな日本から渡ってきた。彼らはなぜ重慶までやってきて美容師をしているのだろう。その答えをオーナーの劉歓子さん(34)に尋ねた。劉さんは正真正銘の重慶人だ。
「私は2000年に広島に留学していて、一時広島で生活していました」と劉さん。「日本の女の子はお化粧してとても可愛いけれど、体のスタイルは重慶の女の子の方がいいと思っていました」。結婚後、劉さんは重慶で美容院をオープンして日本のヘアスタイルを持ち帰りたいと考えていた。
今年の夏、劉さんの夢は叶った。劉さんは日本で7人の美容師を雇い、就労ビザを申請して重慶に連れてきたのだ。