林国本
10月26日、北京第二外国語学院で中国翻訳協会、北京第二外国語学院共催、日本イオン(中国)投資有限公司、イオン1%クラブ協賛の「イオンカップ」第6回多言語コンテストが催された。北京外国語大学、北京語言大学、上海外国語大学、天津外国語大学など全国各地の大学から、数多くの院生を含む学生が逐語通訳、同時通訳のコンテストに参加した。
中国の国際的地位の向上、国際交流の拡大により、外国語専攻の学生、院生が急増しているなか、全国で20数万の学生、院生たちが日本語を勉強している昨今、このようなコンテストを通じて若者たちを励ますことは、たいへん時宜にかなったことであろう。
なが年この世界で暮らしてきた人間としての私も、評議員の1人に選ばれ、新しい時代における若者たちの成長の姿を目にして、この世界の発展ぶりを知り、深い感慨を覚えた。
コンテストに参加した人たちは、日本語の基礎を身につけ、堂々と実力を発揮する意欲を示していた。この人たちの成長を見て、アイウエオからここまで若者たちを育てた教員の皆さんの努力、それをバックアップした大学当局の人たちの力添えが見てとれた。
実戦の場ではないので、試験問題は標準的なアナウンスで提示されたが、とにかく参加者たちの真剣な姿には、感動に近いものを覚えた。しかし、コンテストではやがて卒業して実社会でもまれることになる若者たちを励ます意味で、二、三アドバイスをおこなった。
私見として中国で一流の通訳者になるには、まず中国と日本の政治、文化について一般の人たちよりさらに深く勉強する必要性を説いた。そしてなるべく多くの分野の知識を身につけることも、実社会に出れば、きびしい環境に置かれ、衆人環視の中で、いろんな人の話を正確に通訳しなければならず、場合によっては失敗は許されないこともある。私は何人か中途挫折した人をこの目で見ているので、学生たちにもっと真剣に勉強に取り組んでもらいたいという気持ちも表明した。
さらに、何回もこうしたコンテストに評議員として参加している塚本慶一日本杏林大学教授に敬意を表わしたい。教授は日本と中国のこの分野の発展のためにずっと東奔西走しておられるが、教授の一言一句からこの世界に対するなみなみならぬ熱意をいつも感じている。
この次からは日本の通訳者たちにも参加してもらってはどうかという話もあり、このコンテストはさらに大きなものに発展する可能性がある。なお多言語というのは、今回、ロシア語、ドイツ語、フランス語、朝鮮・韓国語のコンテストも催されたこと。今回、受賞した多言語の人たちはイオン側の招待で日本を訪問することになっている。国際的視野を広げるキッカケにしてもらいたい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年10月30日