「若い時はエジソンを最も尊敬していた。エジソンの発明は世界を変えた。昔はインターネットなどなく、テレビの番組数も少なかった。生活は本当にシンプルだった。そして、尊敬する人と言えば、国の指導者や科学者だった」--。1960年代生まれの孫向晨さんはそう語る。新華網が報じた。
また、70年代生まれの周業南さんは、「私が若い頃は、武術に長け、義理を重んじる人々を主人公とした武侠(ぶきょう)小説に特に夢中になった。武侠小説家である台湾の古竜や中国の金庸、香港の梁羽生などの小説を毎日読みふけっていた」と語る。
一方、現在大学生の主戦力となっている90年代生まれの若者は、遊ぶことに長け、新しい物を追求しそれを受け入れる能力を備えている。そのような若者の価値観は、60年代生まれや70年代生まれの人々とは大きく異なっている。
では、90年代生まれの大学生は誰を尊敬しているのだろう。筆者が中国の大学数校で調査・研究を実施したところ、習近平・国家主席や周恩来・元首相などの中国の指導者、アップル社のスティーブ・ジョブズ前最高計責任者(CEO)、マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長などビジネス界のエリート、米の収穫量の記録を塗り替えた袁隆平氏、エッセイストの楊絳氏などの専門家らのほか、多くの学生が家族や教師、同級生など身近な人に目を向け、模範にしていることが分かった。
「尊敬するのは父親。私の心の中で、父親が公正で知恵のある人の代表。父親の行動が私の人生観や価値観の形成に大きく影響している」。そう語るのは吉林大学に通う安然さんだ。「私がアルバイトをして貯金ができた時、父親がどのようにそれを使い、管理すれば良いか教えてくれた。今でもその方法をずっと使っている」。
吉林農業大学に通う李敏さんが尊敬するのはスクールカウンセラーの張愛萍さんという。李さんは「先生が『心を開き、誠実に接すれば、友達を作るのは難しくない』と教えてくれた」と語り、「私のことを一番理解してくれている」と涙をこぼした。
華東師範大学(上海)に通う郭雨トウ(丹にさんづくり)さんは尊敬する人に「親友」を挙げ、「私の友達は大学の試験の結果が良くなかった。それでも彼女は自分の悲しみを胸にしまって、私の成績を心から祝福しれくれた。彼女の器の広さには感服させられる」と目を赤くした。
吉林大学の学生心理健康指導センターの左振鵬・副主任は、「90年代生まれの大学生は、自分の周りの人を模範とし、その長所を学んでいる。これは、自分の目標を決める時に、達成可能であることを重視していることを示しており、短期的な目標を達成するのに有利」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年11月2日