ドイツ「 Berliner Morgenpost」紙は11月12日、「中国都市部住民 スモッグを避けて農村へ」と題する文章を発表した。今多くの中国人がお金を健康に費やすようになっており、日々ヒートアップする有機食品ブームや農園ブームがその勢いを物語っている。
「本当に気持ちがいい」。43歳になる陳さんは、青空に向けて両手を広げ深呼吸した。その瞳には畑の野菜の育ち具合を嬉しそうに覗き込む娘の笑顔が映っていた。畑は彼が借りる小屋の前にあり、周囲も田畑と牧場に囲まれている。
上海市中心部から約50キロ離れた家庭農園に、凡そ200人の中国人が陳さんのように定期的に足を運び自然を満喫している。都会の騒音やスモッグを離れ、ここで野菜を育てたり、料理をしたり、時に子どもに自然の楽しさを伝えたり。陳さんはある米国企業の上海支社で経理を務めるが、大都市の暮らしには彼も家族も疲れ果てていた。陳さんらにとってここはすべての疲れを忘れさせてくれる癒しの空間なのだ。
この家庭農園はドイツ留学を経験した中国人が「ドイツモデル」の経営、管理を行っている。北京や深セン、広州といった大都市郊外にも同じような農園があり、今最も注目されているビジネスモデルの一つで、多くの中国人がこの波に乗ろうとしている。陳さんは農園に毎年220ユーロ(約3万円)を管理者側に支払い、育った野菜を上海の自宅に届けてもらう場合は別途送料を支払うというルールになっている。