6回シリーズのドキュメンタリー「茶の葉の物語」がこのほど中央テレビの番組「魅力紀録」(「魅力的なドキュメンタリー」)に登場し、お茶好きの注目を集めた。番組では茶畑の様子や製茶技法、昔の茶の飲用法、各国の茶道といった観点から茶文化の世界での伝播のルートを紹介し、企画から完成まで3年かかった。
王沖霄総監督は京華時報の取材に、「これまでに世界各地のお茶を記録したドキュメンタリーはない」と語った。同番組では40カ所以上の茶の生産地を巡り、また英国唯一の茶園も撮影している。京華時報が伝えた。
「故宮」制作スタッフによる「茶の葉の物語」
ドキュメンタリー「茶の葉の物語」の制作スタッフは以前、12回シリーズの大型ドキュメンタリー「故宮」を制作している。「お茶」をテーマに取り上げたことについて王総監督は、10年にわたり「故宮」のような歴史をテーマにした番組に携わった制作スタッフが審美的にやや疲れを感じた、と明らかにした。「皆、内心では人間のエピソード、人間の現実の生活を捉えたいと望んでいた。そのため今度は現実をテーマにした現代の人間のストーリーにした」。
茶文化は奥深く、お茶に関する話題もこれまでに他のドキュメンタリーで取り上げられたこともある。王総監督によると、この「茶の葉の物語」はこれまでとは異なり、世界に目を向け、お茶に携わる人の物語だという。茶葉と人間の命は緊密に結びついており、茶人の人生を理解することで茶文化の内実をより伺い見ることができると王総監督は考えた。
「スタッフは皆、お茶が好きだ。巷で流行しているお茶はひととおり試した。茶店では初心者が様々な故事や伝説を話してくれた。メディア関係者として簡単には信じられないと思った。そのため茶に関する本当のエピソードに興味を持った」。王総監督は笑いながら語った。
茅盾文学賞受賞者の王旭烽が顧問
ドキュメンタリー「茶の葉の物語」では、内容の6割以上が現実の茶人について記録したもので、30%は厳密な考証を経た歴史の物語、残りの10%は歴史や科学などの解説だという。内容の正確さや表現の文学性を保つため、「茶の葉の物語」は王旭烽、姚国坤などを専門の顧問に任命した。「王旭烽は茅盾文学賞の受賞者で、茶文化に詳しく「茶人三部曲」を書いている。姚国坤も茶学の専門家で、世界各地で茶の栽培を指導している」。ドキュメンタリー映像は最初の編集が終了した際に、全国5カ所で茶会を開き、茶の専門家に見てもらったという。
撮影開始の前にスタッフは1年以上の調査研究を行い、「中国の茶葉の世界伝播のルート」を確定。撮影完了まで3年をかけた。茶文化は関連する地域が広く、スタッフは最終的に中国、英国、米国、日本、インドなどに的をしぼった。番組の条件的な制限から、伝播の大まかな道筋しか表現できなかったという。「日本には唐代から『茶道』が隆盛した。『茶道』は日本の『美学の宗教』とも呼ばれ、その重要さがわかる。英国にはアフタヌーン・ティーの文化があり、もし英国がなければお茶は世界的な飲料にはならなかったかもしれない。米国は伝統的な意味ではお茶を飲用する国ではないかもしれないが、『ボストンティーパーティー事件』は歴史的に重要な意味を持つ。またタイには茶に関連する感動的な物語がある」。(編集YH)
「人民網日本語版」2013年11月30日