フォーラム開催中、一部の国は自国の歓迎ムードをより一層高めようと、スピーチ終了後、随行団が熱い拍手とともに英語で自国の名前を叫ぶといった光景が見られた。バヌアツの代表者は、写真や映像を持ち合わせていなかったため残念な表情を浮かべつつも、バヌアツの観光業は決して「トンガやフィジーに負けない」と力強く訴えた。そのスピーチに応えるように、ステージ下の随行団も口笛や手拍子でリズムを刻みながら勝利のサインを見せた。
南太平洋の国々がこれほどまでに中国人観光客の誘致に躍起になるのも無理はない。中国はすでに世界有数の海外旅行消費国となっており、今年の中国公民の出国者数はのべ9000万人を超えた。果たして南太平洋の島嶼国に中国人観光客を受け入れる体制が本当に整っているのだろうか。
その答えは「No」だ。中国の旅行社数社が南太平洋の島嶼で調査を行ったところ、そこには二つの問題があった。一つは交通の便だ。現在香港からの直行便が開設されているのはフィジーのみで、他の国に渡るにはトランジットが必要となる。また、南太平洋島嶼国の工業は全体的に立ち遅れており、代表者のスピーチの中でも「インフラ分野における中国の支持」が訴えられた。次に、ビザの問題である。ミクロネシア連邦を例に挙げると、出入国にはグアムやハワイなどのアメリカ領を経由する必要がある。この問題に対する同国の答えは「早急に米政府と協議する」に留まっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月9日