近日、微信(WeChat)や微博(ミニブログ)で「各地で医師がH7N9型ウイルスに感染」という流言が飛び交い、病院内での疫病防止の能力とH7N9型鳥インフルエンザの「人・人感染」に対する不安が広がっている。これについて人民日報のコラム「求証」の記者が取材を行った。
問1 「各地で医師がH7N9型に感染?」
回答 「いずれの地域でも医師のH7N9型感染例は見られない。」
1月20日、上海市浦東の某病院で某医師がH7N9型鳥インフルエンザに感染し、処置も空しく死亡したという情報が流れた。その後、同じように「某病院で医師がH7N9型に感染した」という類の情報が天津や深セン、江蘇省の一部都市などでも流れた。
天津市衛生局が調査したところ、情報は事実無根で、ネット上で挙げられた天津市人民医院も薊県人民医院でも今年に入ってからH7N9型の感染による死亡例も、医師の死亡例も確認されなかった。同じく深セン市衛生計画生育委員会も、「医師がH7N9型ウイルスに感染し死亡した例はない」と発表している。
問2 「H7N9型鳥インフルエンザのパンデミック(爆発感染)はあるか。」
回答 「H7N9型鳥インフルエンザは散発状態で、大規模な流行の可能性は低い。」
ネット上の流言はH7N9型ウイルスの「人・人感染」への不安を拡大させた。中国国家衛生・計画生育委員会は、「今年1月以降、H7N9型鳥インフルエンザはいずれも散発状態で、現在までにH7N9型ウイルスに公共衛生上重大な変異は見られない」と発表している。
専門家は、「ウイルスの感染経路は鳥から人で、春節前には生きた鳥の輸送や取引、消費が増えるため、国内では引き続き散発的な感染例が見られる可能性はあるが、大規模な流行には至らない」と指摘している。しかし、「H7N9型ウイルスはある限られた条件下での非持続的な人・人感染は排除できず、特に発病1週間以内に鳥類に接触、あるいは生きた鳥の取引市場に居合わせた場合には『ハイリスク群』となる」とも指摘している。
中国疾病予防コントロールセンターの馮子健副主任は、「動物ウイルスが人に感染するまではにはウイルスの変化の過程があり、コントロールセンターはこの過程に対するモニタリングと疫病が発生した都市との連携を強化し、ウイルスへの観察と研究を続けていく」と話している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年1月28日