中国国家発展改革委員会の連維良副主任は、「2014年の春運(旧正月の帰省・Uターンラッシュ)は乗客輸送量で新記録を樹立し、延べ36億2000万人に達した」と発表した。これは驚くべきことではない。この40日間に渡る旅行最盛期に、中国人はまず実家に戻り、それからUターンする。春運は人類の歴史上、規模が最大の短期的な民族大移動の現象となった。
道のりがどれほど長くても、どれほど疲れても、途中にどのような面倒があっても、人々は慌ただしく帰省する。実家では、あたたかさ、快適さ、そして一家団欒を感じることができる。大規模な現代化とグローバル化の過程にある中国人にとって、伝統的な価値観がある面で、これまでよりも歓迎されるようになっている。大都市の多くの若者は西洋のクリスマスを祝うようになったが、春節は今も最重要の地位を維持しており、伝統的な彩りを豊かにしている。
例えば近年、全国的もしくは地方レベルの春節に関するイベントが増えている。良好な教育を受けた若い世代もまた、家庭内の春節のお参りなどの儀式に積極的に参加している。中国の若者は漢服の復興を熱く議論しており、各地の大学キャンパス内でも漢服に関するイベントと儀式が催されている。
もう一つの興味深い現象は、「馬」を使った多くの新語の登場だ。中国語は世界で最も長く使用されている言語で、中国人が誇りを感じる一大要因になっている。しかしこの言語もまた、現代中国の経済と社会の移り変わりを反映している。2014年に入ると、ネット上で一連の「馬」を使用した新語が創造された。例えば大量の金を背負っている馬は「馬上有銭(すぐにお金ができる)」と呼ばれ、二頭の象を背負っている馬は「馬上有対象(すぐに相手が見つかる)」と呼ばれる。中国の伝統文化の中からも、似たような表現を見つけることができる。インターネットの時代は、中国の古い文字遊びに新たな媒体を提供したに過ぎない。
伝統を留めながらも、春節の国際化が進んでいる。報道によると、世界の103の国と地域の294都市で、計500回異常の春節記念イベントが開かれた。世界の重要な指導者も、中国人に祝辞を寄せた。
春節の主な原動力は、中国の台頭中の経済大国としての地位、中国の巨大な市場が秘めたチャンスだ。例えばキャメロン首相は春節の祝辞の中で、世界の華人に対して祝賀を表明した際に、中英関係の基盤の一つである経済協力の重要性を強調するのを忘れなかった。また中日の膠着状態が続けられているが、安倍晋三首相は在日華人に春節の祝辞を送った。安倍首相は両国の経済関係の重要性を繰り返し、特に今年が午年であることを強調した。安倍首相は祝辞の最後に、両国は障害物を乗り越え、未来を見据え共に前進しようと呼びかけた。私たちは海外の春節祝賀イベントを、中国が世界経済でシェアを拡大し、国際社会に承認されていることの産物としてとらえることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月9日