「コロンビア勝利に3000元」「ウルグアイ勝利に5000元」。違法のサッカー賭博「小荘家」の口座に振り込まれた掛け金はワールドカップブラジル大会の開幕3日で2000万元に迫った。4年に一度開かれるワールドカップはスポーツの祭典であるだけでなく、違法のサッカー賭博をする「巨額賭博のイベント」にもなっている。調査によると、モバイルインターネットは今回のW杯の賭博の新たな「陣地」になった。彼らはモバイルSNSや第三者決済システムを通してサッカー賭博をし、驚くほどの暴利をむさぼっている。
インターネット技術は人々の生活を便利にしたと同時に、「インターネットサッカー賭博」のような新しい賭博形式も生んだ。インターネットサッカー賭博は従来の形式より効率がよく、隠れてでき、あっという間に世界範囲で行われるようになった。W杯の時期になると、多くの人が違法のサッカー賭博で暴利をむさぼる。W杯の時期にサッカー賭博の違法犯罪が多発するのは、モバイルインターネットが人々の生活の各方面に浸透している点を考慮すれば当然であるといえる。モバイルインターネットの普及により、違法のサッカー賭博の空間は無限に広がり、見つかりにくくなっており、中でも青少年のインターネットでのサッカー賭博の危害は大きい。モバイルインターネットに「巨額賭博のイベント」が溶け込む中、捜査部門はモバイルインターネットの足並みに合わせ、サッカー賭博の放任や対応遅れにならないようにする必要がある。
中国の刑法には賭博罪がある。2006年に公布された刑法修正案(六)は「賭博場開設罪」を「賭博罪」から切り離した。ここから、中国の刑法は賭博などの犯罪取り締まりに力を入れていることがわかる。しかし、新しい形式のインターネット賭博犯罪に対する刑法はまだ不十分に思える。まず、インターネットサッカー賭博は目に見えないインターネット賭博プラットフォームで行われる違法行為であり、容疑者の所在地、犯罪の発生地、サーバーの所在地、運営者の所在地などは1つの地域、さらには1つの国にないことも多い。犯罪に関わる地域はきわめて広く、刑事管轄権の混乱により犯罪を迅速に捜査することはできない。また、インターネットサッカー賭博をする人は偽の身分や匿名を使って行い、電子マネーやインターネット決済で掛け金を支払い、これらも取り締まりを難しくしている。
インターネットサッカー賭博はハイテクの新型の犯罪である。既存の賭博罪と賭博場開設罪では新型のインターネットサッカー賭博の犯罪を取り締まれなくなっている。そのため、刑法の設立において、インターネットサッカー賭博の特殊性をとらえ、賭博類の罪名を新たに定める必要がある。まず、たまにインターネットサッカー賭博をする人に対しては、治安管理処罰法で処罰できるが、頻繁に行うが賭博を職業にしていない人に対しては、刑法が規定する賭博罪では規制できない。それらの人たちを制裁する「インターネットサッカー賭博罪」を作り、治安管理処罰法と刑法をリンクさせていく課題を解決するのがよいのではないか。また、インターネットサッカー賭博のサイト代理人に対しては、下級代理人になっていき、賭博に応じれば、賭博場開設罪になる。しかし、下級代理人にならず、賭博に応じるだけでは賭博場開設罪や賭博罪で罰することはできない。代理人のこのような賭博の形式に対しては、インターネットサッカー賭博罪を適用してもよい。サッカー賭博を幇助・紹介した人及びその他のインターネットサッカー賭博のサービスを行った人、組織した人はインターネットサッカー賭博罪の共犯者になる。さらに、モバイルインターネットでSNSシステムを開発した業者も責任を負うべきである。インターネット上のサッカー賭博に関する情報の管理・監視を強化し、健全な通報体制を構築し、サイトの自己調査とネットユーザーからの通報、監督管理部門による巡回を合わせ、サッカー賭博に関する情報を迅速に取り除かなければいけない。そのほか、第三者決済システムの管理も行い、インターネットサッカー賭博の資金の流れを断つ必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月27日