「それまで結婚に興味はなかったが、50歳を目前にして、ふと孤独死は嫌だと思った。そんなときに出会ったのが彼女だった。これだけ年が離れていると、確実にこちらのほうが知識や経験があるので、ぶつかることがほとんどない。相手の失敗にも寛容でいられる。20代の女性はさすがに若すぎて、恋愛感情がわかない。女性は30代ぐらいになると、だいたい成熟しているので、大人同士としての関係も築ける」
失われていく若さに戸惑い、仕事でそれなりのキャリアを積んでいる30代半ばの女性には、アラ50男性の慈愛が染みるのだろうか。
成城松村クリニックの松村圭子院長は、「男性は加齢とともに闘争心をつかさどる男性ホルモン『テストステロン』の分泌量が減少する。50代になるとその兆候は際立ち、その分、性格も穏やかになっていく。一方で、女性は40代に向けて女性ホルモンが減少気味になる。30代半ばは、その準備に入りつつある年ごろだ。しかも、いまは男性に負けじと仕事をしている女性も少なくない。とはいえ、結婚や出産に揺れる、悩み多き年ごろでもある。そこでアラ50男性の持つ穏やかさや度量に、癒しを求めるのかもしれない」と分析した。
恋愛経験もそれなりに積んでいる30代半ばの女性たちがパートナーに求めているのは、器の大きさなのだ。ただ、この「黄金のカップリング」の大きな問題は、夫が先立つタイミングだ。
松村院長は、「ただでさえ男性の方が平均寿命は短い。一回りも年下の妻と結婚すれば、当然夫のほうが先立つ可能性は高い。その前に介護の問題もあるので、心構えが必要だ」と語る。
和則さんも苦笑いし、「下手をすれば姑より自分のほうが早く死んでしまう可能性もあが、せめて子どもが社会に出るまでは頑張って生きたい。そう考えると、少し憂鬱だ」と話した。
ともあれ、30代半ば女性とアラ50男性の組み合わせは、意外と相性が良い。今後、女性の社会進出が進めば、このカップリングも増加するかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年10月29日