著者:閆彦、何一丁
アメリカ全国不動産仲介業協会の最近のレポートによると、数量、販売額、取引額から見て、アメリカ住宅の主要な外国人購入者は中国人である。
「中国人はお金もあるし需要もある。しかしアメリカのライフスタイルを知らない人が多い。しかも地理的に遠いことから、アメリカで家を買ってそれを維持するのは想像するほど簡単ではない」と、2年前に家族と共にボストンの家を買った江河さんが記者に言う。
確かにアメリカの不動産は中国の「成金」にとっては魅力的だ。しかし背後に隠されたコストと文化の差について心に留めておく必要がある。
風水とライフスタイルの選択
多くの中国人の不動産購入者が思い描くアメリカの不動産といえば庭付き、プール付き、そして洋館だ。しかし実際は、アメリカの小さな街の静かな生活に我慢できない人なら、東海岸の賑やかな都市でマンションを買うのが現実的な選択となる。江河氏は「ボストンを例に取ると、市中心の臨海地区にある2LDKのマンションは100万ドル以上する。ボストンのベットタウンであるブルックラインなら、同じお金で庭付き4LDKが買える」と言う。
「風水」を重視すると、中国とアメリカの不動産の文化差を痛感することだろう。他の国と違って、中国は部屋の向きや玄関のしつらえ、周辺の自然環境をことさら重視する。しかしアメリカの住宅はそのようなことを気にしない。多くの住宅は向きがそれぞれだ。中国人の期待する、向きが南北になっている住宅はまれである。
中国人不動産購入者が特に嫌うのが、街中にお墓があることだ。「アメリカのお墓はどんな場所にもある。ボストンの中心部にあるセントラルパークもその一つだ。小さな街では墓地が点在している。かつてボストンの郊外、ナティック市で、室内も庭も素晴らしい家を見つけたことがある。しかし唯一の難点が、ある部屋から見える、山のふもとに作られた墓地だった。中国人不動産購入者は敬遠するしかない」と江河氏は明かした。
中国の大都市で住宅を買う人に言わせると、「学区住宅(優秀な学校の近くに建つ住宅)」の高騰が子供を持つ人々にとって悩みのタネだ。実のところ、「学区住宅」は中国だけの特色ではない。アメリカの親もまた同じことで頭を悩ましている。ハーバード大学があるケンブリッジを例に取ると、大学周辺には100万ドルを超える住宅がザラにある。アメリカの不動産仲介会社は学区ごとに5つ星評価制度を設けている。教育水準の高い地域の不動産価格は自然に高くなる。
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