中国旅游研究院は先ごろ北京で、中国観光経済青書「2015年中国旅游経済運行分析と2016年の発展予測」を発表した。青書によると、2015年の中国の国内外観光客はのべ41億人超で、観光収入は4兆元を超えた。増加率は前年比でそれぞれ10%、12%の増加となった。外国人観光客も3年ぶりに増加、2015年はのべ1億3300万人で前年比4%増、収入も1175.7億元と0.6%の増加だった。
観光が国内消費の牽引力に
国民の旅行意向調査によると、バケーションが観光を越え、最大の旅行の目的となっている。2015年以降、旅行消費は増え続け、夏休みの修学旅行や親子旅行、週末旅行、長短期旅行、国慶節旅行などマーケティング的にホットなプランが増えている。国内観光消費は目覚ましい伸びを見せ、消費構造も深化している。
フリープラン旅行も依然として人気だ。「プチ旅行」、「家族旅行」、「朝はゆっくり、行程もゆっくり、ホテルもコロコロ変えず、どの場所でも十分な自由活動時間」といった特徴を持つ新商品や、「オーダーメード」の商品が市場で受けている。
観光投資でグローバル化が促進
報告では、中国観光産業の投資は「黄金時代」に突入したと指摘。急激な勢いで大資本が観光産業に流れている。2015年、中国の観光産業に対する投資は力強く伸び、1年で1兆72億元の投資が行われた。前年比42%増。前年比で10ポイントの伸びだ。1兆元を突破したのは史上初である。
2015年以降、中国企業は対外観光投資への投資を継続している。ポートフォリオのグローバル化がより顕著になっている。錦江集団は欧州最大のエコノミーホテルグループを含め、国内外企業の吸収合併を果たし、現在は世界最大のホテルグループの1つとなっている。開元旅業集団は1050万ユーロでドイツの「Golden Tulip」を買収。富華集団は1.3億豪ドルでオーストラリアのパークハイアットを買収した。港中旅は4億ポンドでイギリスの55のホテルを買収、安邦保険は19.5億ドルでザ・ウォルドーフ・アストリアを買収、さらに万達集団も海外観光企業と観光地を買収し始めている。
2015年の上半期だけでも、対外観光投資は19件に上る。投資金額は51.3億ドルを超え、前年比43%増である。投資分野はホテルや観光地だけでなく、旅行予約サイトや旅行航路などに及ぶ。伝統的なアジア、欧州地域の他、北米や太平洋州、アフリカなどの地域に対する投資も増加が著しい。
中国観光産業の国際的影響力が増大
報告は、観光産業は対外関係の重要な戦略となる産業になりつつあるとした上で、中国観光産業の国際的影響力が不断に増大していると指摘する。中韓の相手国訪問観光客はのべ1030万人を突破し、中米のそれも428.1万人、中日、中ロ、中印、中東欧も急速に規模が拡大している。観光産業は、これらの国に対する中国の外交関係の発展に大きな貢献を果たしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年2月8日