祖父と孫が同じ服装で同じポーズをした。祖父は30歳に若返りしたかのようだ。
藍色の分厚い服、緑色の解放靴を着用し、茶色のズボンを膝までまくる。これは85歳の丁さんの以前の様子だ。
丁さん(85歳)は2年前に妻をなくし、一人暮らしの高齢者になった。ふだんよく着るのは藍色の分厚い服で、茶色のズボンを膝までまくり、釣り合いがとれていない。泥のついた緑色の解放靴を一年中はいている。孫の傑西さんにスーツを着せられ写真を撮られ、「中国で最もおしゃれなおじいちゃん」になるとは思いもしないことだった。丁さんはすぐにネット上の有名人になり、アクセス数が100万件を突破した。
丁さんは2015年の夏にアモイに送られ、傑西さんのおばと共に暮らした。都市では時間がゆっくり流れた。同世代の友人も、慣れ親しんだ畑もなかった。家族は日中忙しく働き、テレビが彼の友人になった。農村から都市に来ると、生活の経験が失われたかのようだった。丁さんはヘビースモーカーで、エレベーターに乗った時に隣の人にタバコをあげようとしたが、相手にされなかった。
カメラマンの傑西さんは祖父と一緒の時に、ネット上で目にした外国のおしゃれなおじいちゃんのストリートスナップを思い出し、「おじいちゃんにおしゃれな写真を撮ってあげよう」と思い立った。6年間のカメラマンの経験により、傑西さんは祖父が「蘇る」と信じていた。
こうして祖父の72変化が始まった。