フランスのマーケティング企業であるReportLinkerが先ごろ発表した「2015-2019年 世界ネイルアート市場レポート」によると、2019年末までに世界のネイルアート市場は90億ドル規模に達するという。
現在、同市場でシェア上位にあるのはCoty、Estee Lauder、L’oreal、Revlonで、以下Amway、Chanel、Clarins、花王、LVMH、Markwins、P&G、資生堂、Unileverが続く。
同市場は、若年層の需要増加が成長エンジンの1つとなっている。同レポートによると、ネイル商品は若い女性の中で最も流行している化粧品分野の1つであり、9~17歳の女性の91%が少なくとも1つのネイル商品を持つとしている。
急成長するこの業界が直面する最大の脅威は、ネイル商品に含まれる化学物質が引き起こす副作用だ。たとえばフォルムアルデヒド樹脂は皮膚炎を引き起こしやすい。ネイル商品に含まれるカンフルを多く吸引すると気分が悪くなったり、めまいや頭痛などを引き起こしたりする。これらはネイル業界の従業員の職業病にもなりかねない。
とはいえネイル商品のメーカーは、配合への配慮などにより、イノベーションを起こす余地があるとし、さらなる創意工夫で消費者を惹きつけようとしている。
上海に拠点を置くマニキュア液ブランドのLittle Ondineは、はがすことのできる使い捨てマニキュアを発売した。爪の表面を削るのではなく、ゆっくりとはがすだけでOKだ。それ以上に同社が強調するのは、「環境にやさしく健康的である」ことだ。フォルムアルデヒドやトルエン、腐食性溶剤が含まれる従来のマニキュア液と比べ、ドイツの輸入水溶性樹脂と純天然鉱物による彩色粉を採用したはがせるマニキュア液なら、除光液による指先へのダメージを抑えられるという。
ネイル市場で最も規模が大きな分野はマニキュア液だ。それ以外にもネイル小物、ネイルケア、人工ネイルとその関連小物、除光液などがある。2014年、全世界のネイル商品市場のうちアメリカ大陸(北米、中米、南米)が48%を占めた。同地域の1位はアメリカで、2位がブラジルだった。
ラテンアメリカは2015~2019年において最も成長する市場であり、中国とインドが最もポテンシャルを持った市場になると、同レポートは予測する。
世界的に見ると、大小の様々な企業が林立するネイルアート市場は高度に分散された市場である。2015~2019年において競争は激化し、新商品が売り出され、価格競争や企業合併が起こるとレポートは予測している。
すでに大手が動きを速めている。現在、世界最大の美容製品メーカーの1つであるCotyは、ノースカロライナ州工場の拡大を計画しているという。ハリウッドのOPIマニキュア液工場もノースカロライナ州工場に移転させ、米国最大のOPI工場にすると発表している。
この拡大計画は工期が3年で費用は最大1900万ドル。「OPIの成長予測を適切に立てながら、生産設備を強化していく」との考えを同社は示す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年2月21日