ピアノ関連業務を幅広く手掛ける「莱亜鋼琴」の創始者で総経理を務める劉暢さんは、中国江蘇省出身の34歳。2001年に大学入学で北京にやって来た。卒業後は北京で映像・動画方面の仕事を続けてきた。最初はテレビ局のポストプロダクション、その後は映像動画の専門学校でウェブページの設計に従事した。
刘畅,34岁,中国江苏人。"莱亚钢琴"(www.disklavier.cn)公司的创办人,总经理。2001年刘畅来北京读大学。大学毕业后一直在北京从事影视动画(技术)方面的工作,先在电视台做后期,后在一家影视动画培训机构做网页设计。
北京で家を買った後、それまでの給与水準ではローン返済に足りず、もともと起業に向いた性格だったこともあって、ピアノを弾くこととピアノ文化の好きだった劉さんは自分で会社を興すことを決めた。2007年8月、「莱亜鋼琴」を立ち上げた。会社の業務は現在、国内の新品・中古のピアノの卸売や小売、ピアノレッスン、海外への輸出、修理などに及んでいる。
在北京买房后,工资水平不能满足还贷的压力,加之性格的原因,喜欢弹钢琴、喜欢钢琴文化的刘畅决定自己创业。2007年8月他创办了自己的公司——莱亚钢琴。目前公司业务包括国内新钢琴和二手钢琴的批发零售、教育培训、对外出口钢琴(中国国产钢琴,日本欧洲二手钢琴)、代修理钢琴(将日本钢琴进口到中国,修理好后出售到欧洲,并可接收一些欧洲的二手钢琴和古董钢琴,修理好后返给客户)等。
起業の初期には、会社は様々な困難に遭遇した。例えば日本のピアノ販売業者と業務提携をしようとした時は、10社と連絡して8社にすぐ断られた。ある会社には詐欺師に間違えられたという。日本の会社の側は、劉さんには彼らと協力する実力がないと判断した。だが2015年、この状況は反転した。日本最大のピアノ販売業者の方が劉さんの会社に連絡を取り、仕入れの量を増やさないかと提案してきたのだ。莱亜鋼琴は現在、北京地区でこの日本企業最大の協力相手となっている。
创业初期,公司遭遇的最大困难是融资问题。当时朋友们给予他大力帮助和支持。刘畅说他永远都不会忘记帮助过他的这些朋友。而遭遇的挫折更多。比如,最早和日本的钢琴供货商联系业务时,联系了10家,被8家直接一口拒绝,甚至有一家认为他是骗子。日本的公司认为,他没有和他们合作的实力。不过2015年这个情况就反转了,日本最大的钢琴供货商主动找到他们公司,让他们增大进货量。目前在北京地区,莱亚钢琴是这家日本公司最大的合作商。
8年余りの努力を経て、従業員も自分一人から現在の14人に広がった。従業員の給与は同業者の中で最高で、従業員の流失率はゼロだという。
经过八年多的努力,公司员工已从自己一个人发展到目前的14人。员工的工资水平在同行业中是最高的,公司的员工流失率是零。
劉さんは起業の成功の原因として次の3点を上げている。第一に、市場環境が良好である。ますます多くの庶民が、ピアノを購入する能力を持つようになっている。第二に、子どもの芸術面での教育を重視する人が増えている。多くの保護者は現在、ピアノは子どもが身につけなければならない技術の一つだと考えている。第三に、貿易環境が緩和されている。会社の注文から税関への申告、通関、倉庫への商品到着まで3週間ほどしかかからないことで、資金の流動が加速された。企業経営の成功は、市場のチャンスと良好な貿易環境、従業員全体の努力と切り離せない。
刘畅将创业成功的原因归结为以下几个方面:第一,市场环境好。越来越多的老百姓具备了购买钢琴的能力。第二,越来越多的人开始重视子女的才艺教育。现在很多家长都认为学习钢琴是孩子的必备技能之一。第三,宽松的贸易环境。从公司下单订货,到报关通关、货到库房,一般只需三周时间,加速了资金的流动。公司运作的成功离不开市场的机遇、良好的贸易环境以及全体员工的努力。
起業に対する劉さんの最大の感慨は「簡単ではない」ということだ。「社長として考えなければならない事や学ばなければならない事は多い」と劉さんは語る。「仕入れルートや販売ルートの問題を解決するのは基本だが、企業の利益を出すには、やらなければならない細かい事がまだたくさんある。関連産業の法律や法規を知っておかなければならないし、財務や税務の知識、渉外貿易面の知識も必要となる。また小さな会社でも従業員のチームを管理するのは大変だ。できるだけ皆が満足できるよう心がけているが、簡単なことではない」
对于创业,刘畅最大的感触是“不容易”。“作为老板,要考虑的事和要学习的事太多了,”刘畅说,“除了要解决最基本的进货渠道和销售渠道,让公司盈利,还有太多琐碎的事情要做。比如要了解相关行业的法律法规,要了解财务税收方面的知识,还要了解外贸方面的知识。同时,管理这个小团队也不容易,要尽量做到让大家都满意,也不是容易的事情。”
昨年6月1日の「国際子どもの日」、莱亜鋼琴は、北京の出稼ぎ労働者の子弟が通う小学校にピアノを寄付した。「社会の底辺にいる庶民の子どもにも音楽に触れてもらい、音楽を感じてもらうのは大切なこと」という劉さんは、今後もこうした取り組みを続けていくことにしている。
2015年六一儿童节,莱亚钢琴公司向北京的一所打工子弟小学捐赠了一架钢琴。刘畅认为,让处于社会底层的老百姓的子女接触和感受音乐,是值得做的事情。他决定一直这么做下去。
今後の計画について、劉さんは、「半公益」の学校を立ち上げることはできないかと考えている。「半公益」というのは、劉さんの会社には、完全な公益を目的とした学校を作る実力がまだないからだという。才能はあるが家庭の経済条件に恵まれない子どもは無料でピアノが習えるようにし、家庭の条件が許す子どもには市場価格で普通に授業料を適用することで、学校の運営を成り立たせていくことを劉さんは計画している。
谈到下一步的计划,刘畅说他要办一所半公益性质的学校。"半公益"是因为自己的公司目前还没有实力办一所完全公益的学校。他想吸收一些很有天赋,但家庭经济条件达不到的孩子免费学习钢琴。对于家里条件允许的孩子,公司会按照市场的价格正常收费,从而保证学校正常运营。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年2月27日